研究課題/領域番号 |
19K10585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
川西 正祐 鈴鹿医療科学大学, なし, 客員教授 (10025637)
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研究分担者 |
榎屋 友幸 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60803260)
大西 志保 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (80511914)
平本 恵一 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (90251793)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グリチルグリチン / HMGB1 / AOM/DSS / DNA損傷 / 炎症 / 大腸がん予防 / がん転移予防 / TLR2/4 / グリチルグリチン酸 / 炎症関連DNA損傷 / 抗炎症薬 / グリチルリチン / がん化学予防 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍形成時やがん組織周辺の炎症部位では、炎症関連DNA損傷が誘発され、がんの発生や悪性化を引き起こす。炎症シグナルとして働き、最近がん治療の標的分子として注目を集めているHMGB1 (High-Mobility Group Box1) が、遺伝子変異や細胞死誘導の繰り返しに重要な役割を果たしていることから、本研究では、HMGB1特異的阻害剤で抗炎症薬のグリチルリチンによる炎症関連DNA損傷抑制機構を解明する。また、本研究では炎症性微小環境中での抗炎症薬による炎症関連DNA損傷制御の分子機構を解明することにより、がんの発生のみならず悪性化も制御する新しい戦略的がん化学予防法を開発する。
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研究成果の概要 |
甘草成分であるグリチルリチンはHMGB1と結合することで炎症を抑制することが知られている。本研究では炎症性大腸がんモデルを用い、GLが発がん性の抑制を明らかになった。また皮膚がんの一つで悪性黒色腫(メラノーマ)をマウスに静注し、がん転移で最も重要な過程である管外遊出過程におけるグリチルリチン効果を検討した。特に肺は毛細血管に富み転移しやすいので、肺へのがん転移を検討した。 グリチルリチンはHMGB1を抑制することにより、標的細部のRAGEおよびTLR4の発現を抑え炎症性サイトカインの分泌やEMT誘導、VAGF発現を減少させることでメラノーマの肺へのがんの転移・増殖を阻害することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甘草は臨床でよく使われる漢方薬の一つである。甘草の主成分であるグリチルリチンは抗炎症作用、抗がん作用、抗ウイルス作用、抗アレルギー作用などの薬理作用を有する。 本研究ではグリチルリチンが炎症性大腸がんを抑制することが判明し、がんの発生の予防することが明らかになった。また、グリチルリチンはメラノーマの肺転移を抑制する事が判明し、がんの転移を阻止することを明らかにした。これらの研究成果はがんの予防や治療に役立つものと思われる。
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