研究課題/領域番号 |
19K10591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
新井 智 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (80321868)
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研究分担者 |
森野 紗衣子 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 主任研究官 (00612722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 日本脳炎 / ワクチン / 副反応 / 日本脳炎ワクチン / 細胞培養日本脳炎ワクチン / 同時接種 |
研究開始時の研究の概要 |
2010年から利用されている新しいVero細胞由来日本脳炎ワクチンの安全性を副反応発生状況から明らかにする。臨床医の視点から副反応の原因と推測される因子が疑われた場合には、基礎実験を用いて検証する。また、日本脳炎ワクチンの解析をモデルに副反応の解析手法の確立を進め、他の定期予防接種ワクチンの解析にも応用することを目指す。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルスが流行して以降3年が経過し、2022年においては第6波から第8波まで確認されている。最大1日約25,000人の感染者と500名の死亡が報告された。このような中でも定期接種ワクチンの接種は継続して実施されており、日本脳炎ワクチンの接種は2022年1月から12月末までに3,862,099回接種され、合計29例(2022年度接種分)の副反応症例が報告された(0.75/10万接種)。そのうち、1例のワクチン接種後に確認された無菌性髄膜炎症例は、同時接種でおたふくかぜワクチンの接種を受けており、おたふくかぜワクチンの可能性を排除できなかった。2022年の報告事例では、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)として2例が報告されているが、鑑別情報を元にした専門医の判定では、どちらもギランバレー症候群(GBS)、ADEMを否定している。29例のうち26例は接種日もしくは接種翌日に発生し(89.7%)、接種に関連した局所反応、発熱、発疹、アナフィラキシー反応等に由来する反応と推測された。特に29例中10例では、接種後に発熱が報告されており、発熱が起因となって熱性痙攣が発生している可能性があり、熱性痙攣の既往歴がある場合には発熱が検出された場合に早期の解熱対策を行い熱性痙攣を予防することで副反応の重篤化予防することができる可能性がある。報告情報では、個別症例の重篤度は評価できないが、発生時期の情報から何らかの副反応が発生する場合には、ワクチン接種直後から1週間程度に発生している頻度が高く、この期間は注意して経過を観察することが早期対応上重要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遅れていた解析について、集計、解析を継続的に行い、マウス脳由来日本脳炎ワクチンとVero細胞由来ワクチンの副反応の比較を行っている。ある程情報が集積し、頻度比較を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで単年度比較を行ってきたが、医師による副反応報告の義務化されて以降の情報全体を用いて、注意喚起が必要な発生頻発時期を特定し、接種医に対して要観察期間を提案することを考えている。これにより、原因が特定できない副反応に対して早期対応し、未然に予防する方法や、発生しても早期に対応することにより、症状を軽減する方法を提案する予定である。
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