研究課題/領域番号 |
19K10603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
川口谷 充代 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70733062)
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研究分担者 |
小林 宣道 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80186759)
漆原 範子 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80396308)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Streptococus / 肺炎球菌 / 蛋白結合型ワクチン / 血清型 / 無莢膜型 / 分子疫学 / 薬剤耐性 / Streptococcus 属 / 無莢膜型肺炎球菌 / 肺炎球菌表層タンパク / 肺炎球菌表層タンパク質 / 予防医学 |
研究開始時の研究の概要 |
蛋白結合型ワクチンの導入後、ワクチン非含有血清型株による肺炎球菌感染症の増加とその薬剤耐性化傾向が明らかとなり、さらに近年、莢膜を持たない無莢膜型肺炎球菌による感染症の増加が懸念されている。そこで本研究では、ワクチン導入後の2011年以降に、北海道内の医療機関にて分離された非侵襲性肺炎球菌の無莢膜型株と2018-2019年に分離された非侵襲性肺炎球菌を解析対象とし、これら新規分離株の血清型分布(連続多重PCR法)と薬剤耐性状況(分子疫学的・微生物学的手法)を調査するとともに、無莢膜型株に対しては莢膜を有する従来の標準株と比較する為に、分子疫学的・遺伝学的特徴および薬剤耐性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
2011年1月-2019年1月に、北海道内の医療機関で収集された非侵襲性感染症由来肺炎球菌4463株から同定された無莢膜型肺炎球菌71株を対象とした。結果、全株から無莢膜型特異的遺伝子が検出され、94.4%がpspK遺伝子を、5.6%がaliCとaliD遺伝子を保有していた。MLSTに基づく系統解析では、5つのST(ST7502、ST4845、ST16214、ST11379、ST7786)で全菌株の71.8%を占めていることが確認された。薬剤感受性試験の結果、全菌株の67.6%がペニシリンに非感受性を示し、88.7%が3種類以上の異なる系統の薬剤に非感受性を示す多剤耐性であることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児に対する肺炎球菌結合型ワクチンが世界的に普及した現在において、現行のワクチンで予防できない「無莢膜型の増加」が示唆されている。この状況から、本研究では無莢膜型株の分子疫学的特徴およびその薬剤耐性を明らかにすることで、肺炎球菌感染症対策に寄与する知見を得ることを目的とした。分子疫学的・遺伝学的性状の解析は新規ワクチン開発に寄与する可能性を有する研究であり、グローバルな肺炎球菌感染症対策にも貢献できると考える。
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