研究課題/領域番号 |
19K10612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
角田 正史 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 衛生学公衆衛生学, 教授 (00271221)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フッ素 / 神経毒性 / 二世代 / 行動学試験 / ラット / F1動物 / 成長抑制 / オープンフィールド試験 / PPI test / 尿管結紮 / 飲み水 / 体重変化 / 感受性 / 環境汚染 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、フッ素の神経系への影響を明らかにする第一歩として、脳神経系への影響をスクリーニングする方法として確立されている行動学試験(オープンフィールド試験、 Prepulse inhibition test)、脳部位の神経伝達物質の定量を行い、フッ素による毒性が現れるかを明らかにすることを目的とする。またフッ素に対する感受性の相違に着目し、化学物質の影響を受けやすい、胎児期及び発達期曝露があった場合にフッ素の脳神経系への影響が強まるか、また腎臓がフッ素の排出に主要な役割を示すために障害があると血中濃度が上昇するが、その腎障害がある場合にフッ素の脳神経系への影響が強まるかどうかを検討する。
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研究成果の概要 |
フッ素(F)の発達期曝露による神経毒性について明らかにするために、妊娠ラットに飲水を介しFを150ppmの濃度で投与し、生まれてきたF1ラットについて、引き続きFを投与する群(FF群)としない群(FC群)に分け、12週令まで飼育し、オープンフィールド試験、Prepulse inhibition (PPI) testで評価を行い対照群と比較した。雄のFF群について対照群と比べ、体重増の抑制が観察された。また雄のFF群ではPPI test において、対照群に比べて、70dBのプレパルスがあったときの驚愕反応抑制の指標%PPIが有意に低かった。雄に関して発達期のF曝露で毒性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インドや中国において地下水の汚染が大きな問題になっているフッ素について、今まで明らかになっていなかった神経毒性を、胎児期~発達期の感受性の高い成長期に曝露があれば、動物において起こりうることを示唆した。顕著な成長抑制が観察されたことと併せて、フッ素の感受性の高い成長期における曝露にリスクが伴うことを示したことに学術的・社会的意義がある。今後、疫学研究との所見と併せて研究を進めるべき結果となった。
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