研究課題/領域番号 |
19K10632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
稲村 昇 近畿大学, 医学部, 准教授 (20533300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心臓検診 / 無害性雑音 / 先天性心疾患 / 心雑音 / 電子聴診器 / 周波数解析 / 無害性心雑音 |
研究開始時の研究の概要 |
無害性雑音は病的因子の無い健康な小児に認める心雑音で、幼児期から学童期に聴取される心雑音で最も多い。無害性雑音は、特徴的雑音であるため専門医は聴診で鑑別できる。本研究は、電子聴診器で無害性雑音を収録し、雑音の特性を解析する。内容は、無害性雑音を構成する周波数を解析し、病的な心雑音の周波数構成とどのように異なるのかを解明する。以上の研究で、聴診で無害性雑音が鑑別できるようにする。本研究は、個人差のある聴診技術を専門家の耳と同様の効果にまで引き上げ、雑音を可視化することで検診の簡素化、医療費の削減につなげることができると考える。
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研究成果の概要 |
無害性心雑音(IM)は健康小児に認める原因不明の雑音で小児の7割に認める。本研究はIMを電子聴診器で収録し、雑音の特性を解析することで心臓検診の簡素化を目的とする。対象はIM 64例(年齢 4.3±2.9歳)と先天性心疾患(HM)60例(年齢 5.4±4.9歳)である。解析はAdobe Audition2020を使用し雑音の音圧と最強点での時間と周波数とを解析した。 IMはHMと異なり、最強点は第3肋間が多く、広がりは無く、持続時間の短い、音圧が小さく、周波数の低い音であった。研究結果はいずれもHMとのカットオフ値の算出でき、今後AI学習を重ねることでAIによる診断が可能である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代医療において診療録はデジタル化が進んでいるが、 聴診情報は未だに主観的なアナログ情報がメインである。本研究は聴診から得られるデジタル情報量の多さが明らかにした。聴診情報を可視化し診療録に記載すれば、診療録の革命的な変化が期待できる。次に、無害性雑音は小児の7割に認め、小児心臓検診で聴取される最も多い心雑音である。本研究は無害性雑音の特性を解明した。本研究の結果をAI機能に導入すれば、小児循環器専門医が感じる聴診感覚を広く共有でき、無害性雑音の診断にレントゲン、心電図、心エコー検査といった検査が不要となり検診の簡素化、医療費の削減に繋がる。
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