研究課題/領域番号 |
19K10639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授(キャリアアップ) (30595038)
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研究分担者 |
藤原 武男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80510213)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会的ネットワーク構造 / 健康的な環境を作る意欲 / 認知症 / 脳の構造 / 社会経済的地位の変化 / 認知機能 / 類似性 / 社会的ネットワーク / 高齢者 / 主観的記憶障害 / 他者の関わり |
研究開始時の研究の概要 |
近年ネットワーク理論を応用した疫学研究より、これまで非感染として認識されてきた生活習慣や生活習慣病が家族や友人から伝播することが報告されている。しかし、人から人へ認知症が伝播するかについて実証的検証は行われていない。本研究は、地域高齢者コホートの縦断調査を行い「親密な他者の認知症または認知症の前駆状態を示す軽度認知障害が、高齢期の認知機能に与える影響」を明らかにする。本研究を通じて、認知症の発症または進行を抑制する社会的ネットワークの構築や介入に有用となる科学的エビデンスの創出を目指す。
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研究実績の概要 |
申請者を中心とした研究グループは、社会的ネットワークの構造的特性のうち、多様性が人々の思考や行動にどのように影響するかについて検討を行った。大手インターネット調査会社を通じて性別と年齢に基づく層別無作為抽出した全国の18歳~79歳の男女12147人を対象に、社会的属性(年齢や性別、人種など)が似通っている/異なる人との交流状況、健康的な環境作りに対する意欲(環境スチュアードシップ)について、オンライン質問紙調査を実施した。分析の結果、どの社会的属性においても、似通っている人との交流がある人の割合が、異なっている人と交流がある人の割合を上回っており、最も多い交流の相手は、同じ性別、次に同年代であることが明らかになった。また、交流の相手として違う人種や異なる価値観を持った人は、割合が少なく、特に異なる人種と異なる価値観を持った人との交流は、割合はそれぞれ10%弱であった。社会的属性が均質なメンバーとの交流、および異なるメンバーとの交流は、それぞれ独立して環境スチュワードシップと正の関連があることが示された。しかし、メンバーとの交流において、社会的属性が均質な場合と異なる場合では、環境スチュワードシップとの関連性が異なることが示された。社会的属性が均質なメンバーとの交流では、一般的に浸透している行動と関連があったが、浸透率の低い行動とは関連がないか、逆に負の関連があることが示された。一方、メンバーの多様性は、一般的に浸透している行動とは関連がないものの、浸透率の低い行動と関連があることが示された。このことから、同質性の高いコミュニティだけでなく、多様性の高いコミュニティを構築することが、社会的資源の循環や健康的な環境を作る意欲の浸透に重要である可能性がある可能性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症による現場業務逼迫等の理由により、介護認定及び死亡データを入手することは叶わなかった
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今後の研究の推進方策 |
2024年度を最終年度として介護認定及び死亡データを入手する予定である
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