研究課題
基盤研究(C)
本研究は、全国11か所の保健所管内に在住する40歳から69歳の地域住民を対象に1990年から追跡調査を行っている「多目的コホート研究」において、既に収集されている疾病罹患前の情報および試料を利用して行うがんのケース・コホート研究である。本研究では、ゲノム網羅的な解析でがんと有意な関連を示す遺伝子多型だけでなく、がんとの関連が示唆される遺伝子多型まで含めることで、がんの持つ多因子遺伝性をより反映したがんの遺伝的リスクスコアを開発する。また、環境要因だけで構成されたがん罹患リスク予測モデルに多因子遺伝的なリスクスコアを追加して予測能の改善を評価する。
3,750名のがん症例と13,024名のコホート対照から得られたゲノム網羅的な遺伝子多型情報をもちいて関連解析をおこない、がんとの関連が示唆された多数の遺伝子多型を用いて、日本人を対象としたがんの多因子遺伝的なリスクスコアの研究開発を行った。得られた複数の多因子遺伝的なリスクスコアの判別能をC-indexを用いて比較したところ、多因子遺伝的なリスクスコアに含まれる遺伝子多型の数が増えるほど判別能が上昇する傾向が見られた。更なる研究として、異なる日本人集団において外的妥当性を評価していく。
本研究の成果は、(1)がんの遺伝的リスクスコアを研究開発する際、がんとの関連が示唆される遺伝子多型まで含めて、がんの持つ多因子遺伝性をより反映しようと試みた点と、(2)欧米の研究に限られている状況で、日本人を対象とした研究から、欧米人とは異なった遺伝的リスクスコアを研究開発しようとした点において学術的な意義がある。また、本研究の成果は、遺伝的なハイリスク集団を同定することによって、日本人のがん予防に役立てられる可能性がある点において社会的な意義がある。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 6件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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