研究課題/領域番号 |
19K10664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
延末 謙一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (20823272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病ウイルス / ぶどう膜炎 / HTLV-1ぶどう膜炎 / ヒトT細胞白血病ウイルス1型 / 長崎県五島市 / 成人T細胞白血病・リンパ腫 / HTLV-1関連脊髄症・熱帯性痙性麻痺 |
研究開始時の研究の概要 |
日本にはヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)に感染されている方が108万~130万人おられる。そのうち5%は成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)を、0.3%はHTLV-1関連脊髄症(HAM)を発症され、確率は不明だがHTLV-1ぶどう膜炎(HU)を発症する方もおられる。ATLを発症すると、半数の方は1年以内に亡くなられる。HAMやHUには直接命の危険はないが、生活の質を大きく損なう。本研究では、HTLV-1感染率が21.5%と高い長崎県五島市の住民を対象にこれらHTLV-1関連疾患を調査し、感染者の方々の健康管理を行うとともに、疾患の予防法や治療法につながる情報を収集する。
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研究成果の概要 |
長崎大学が長崎県五島市で2014年から施行しているコホート研究のデータを用いて、HTLV-1感染率とHTLV-1関連疾患のうちぶどう膜炎の罹患率を調査した。全住民の約12%にあたる4,265人の抗HLTV-1抗体を調べ、685人の陽性者と3,580人の陰性者が確認された。次に、五島市内で眼科をもつ4か所の医療機関の診療録を確認し、HTLV-1陽性者中の14人(2.0%)、陰性者中の18人(0.5%)にぶどう膜炎患者が見出された。以上からロジスティック回帰分析を行なったところ、HTLV-1陽性者のぶどう膜炎罹患のオッズ比は陰性者の4.13倍、年齢・性別で調整したオッズ比は3.27倍であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
このデータは、世界的にみてもHTLV-1感染率が高い地域において、住民を対象とした前向きコホート研究に基づきぶどう膜炎に対するHYLV-1感染の寄与率を明らかにした初のものである。本コホート研究は現在進行中であり、これを基礎に脊髄症など他のHTLV--1関連疾患ほ含む疾患への寄与率、あるいは脳卒中、心筋梗塞など、生活習慣病のへの寄与率の解明も期待される。 社会的には、HTLV-1感染率が高い地域においては、臨床医も患者自身も、HTLV-1感染者についてはぶどう膜炎の可能性を、ぶどう膜炎患者についてはHTLV-1感染の可能性を、常に念頭に置くべきであるとを示唆している。
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