• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

がん化学療法時の味覚障害のプロファイルに基づく食事設計

研究課題

研究課題/領域番号 19K10667
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
研究機関帝京平成大学

研究代表者

牟田 真理子  帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (40445193)

研究分担者 有賀 智之  地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 医長 (60645282)
本田 弥生  地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 乳腺外科, 医長 (10766497)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード味覚障害 / 化学療法 / 乳がん / がん
研究開始時の研究の概要

がん化学療法時の味覚障害は発症頻度が高く、食欲不振、栄養不良を招き、患者の治療効果や健康状態QOLを低下させる。本研究はがん化学療法時の味覚障害の特徴を分析し、それに伴った栄養状態の変化や食習慣の変化を総合的にプロファイルする。味覚障害のプロファイルにより患者の栄養不良や治療効果の予測が可能になり、対策を講じることも可能となり、患者の健康状態の向上が期待できる。プロファイルの結果から味覚障害や栄養状態を考慮した化学療法時の食事設計を行い、癌患者の栄養不良の予防や治療効果の最大化、患者のQOLの向上をめざす。

研究実績の概要

本研究はがん化学療法時の味覚障害の傾向を明らかにし、がん患者の栄養不良の予防や治療効果の増大、患者のQOLの向上を目指すことを目的に行っている。令和5年度は研究期間を延長してサンプル収集を行った。研究同意を得られた原発性乳癌術前・術後化学療法を受ける患者の味覚検査、食事摂取頻度調査(BDHQシステム使用)、と、栄養状態にかかわる血清アルブミン値などは対象患者のカルテより情報収集し、分析を行った。サンプル数(n数)が増えたので、味覚変化ありのn数の比較が可能となった。
TC(docetaxel+cyclophosphamide)療法とAC(adriacin+cyclophosphamide)について比較分析を行った。TCは21例、ACは19例のサンプル数である。サンプル数が増えたため、n数の比較が可能となった。どちらの治療法も栄養状態を示す血清アルブミン値は治療早期に低下することが示された。治療早期の味覚、栄養状態について検討した。
味覚は敏感になるものを+、鈍感になるものを‐と示し、味覚、食物摂取、栄養状態の関係を検討した。味覚の変化は個人差があるが、TCは甘味+、塩味-、酸味-の人が多い傾向が示され、血清アルブミン値、栄養摂取量の減少との関連もみられ、味覚変化と栄養摂取、栄養状態低下の関係が示唆された。
ACの味覚の変化に伴った栄養状態は、TCと比較して約1/2の血清アルブミン値の低下であった。またACでは塩味+の人が多く、塩味+は血清アルブミン値の低下は-0.05g/dLであり、TCの塩味+の-0.1g/dLと比較すると約半分くらいであった。ACでは塩味‐は少人数だが血清アルブミン値の低下は塩味+の約2倍の減少であり、TC,ACともに塩味‐と栄養状態の低下の関係が示された。治療法による栄養状態低下の差と塩味‐が栄養状態に影響することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は研究期間を延長して行われたが、新型コロナウィルス感染症のため、サンプル数の収集が遅れている。本研究はサンプル数を増やすことがデータのばらつきを抑え、安定した研究データを得られると考えている。研究実績には現時点での実績を記載したが、サンプル数が増えるにつれ、今まで味覚変化の得点の積算による分析からn数による分析が可能になり、分析結果が若干変化しているところもあるが、多方面から分析が可能になってきている。化学療法のレジメン別に検討することもあり、収集するサンプル数はまだ足りないため、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

1.令和6年度は引き続き研究同意してくれる患者の獲得に努め、サンプル数を増やし、分析結果のばらつきを抑え信頼性を高めていく。これには研究分担者である臨床担当医師が患者獲得を行う。

2.味覚変化と栄養状態、栄養摂取量を総合的に分析し、それぞれの関係を明らかにする。
栄養摂取のみではなく、食品の摂取傾向の分析し食事計画へ発展させていく予定である。
分析結果は学会等で発表予定である。令和6年は第9回日本がんサポーティブケア学会、第32回日本乳癌学会で発表予定である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2022 2021 2020 2019

すべて 学会発表 (10件)

  • [学会発表] TC療法時の味覚障害と栄養摂取2024

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之
    • 学会等名
      第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] TC療法とAC療法の栄養状態の比較2022

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之、後藤 理紗、本田 弥生
    • 学会等名
      第30回日本乳癌学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [学会発表] TC療法とAC療法の味覚変化と栄養状態の比較2022

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之、後藤 理紗、本田 弥生
    • 学会等名
      第7回がんサポーティブケア学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 化学療法中の味覚変化と栄養摂取の傾向2021

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之、後藤 理紗、本田 弥生
    • 学会等名
      第29回日本乳癌学会総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] TC療法における味覚変化の傾向2020

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之、後藤 理紗、本田 弥生
    • 学会等名
      第5回日本がんサポーティブケア学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 化学療法による味覚変化の違いについての検討2020

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、有賀 智之、後藤 理紗、本田 弥生
    • 学会等名
      第28回日本乳癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] TC療法における味覚変化の傾向2020

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、後藤 理沙、本田 弥生、有賀 智之
    • 学会等名
      第5回がんサポーティブケア学会学術総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 化学療法による味覚変化の違いについての検討2020

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、後藤 理沙、本田 弥生、有賀 智之
    • 学会等名
      第28回日本乳癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 乳癌化学療法時の味覚障害の傾向2019

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、後藤 理沙、本田 弥生、有賀 智之
    • 学会等名
      第27回日本乳癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 癌化学療法時の味覚検査法の妥当性についての検討2019

    • 著者名/発表者名
      牟田 真理子、後藤 理沙、本田 弥生、有賀 智之
    • 学会等名
      第4回がんサポーティブケア学会学術総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi