研究課題/領域番号 |
19K10675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 寿 久留米大学, 付置研究所, 客員教授 (40212518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Trombospondin-2 / 疫学研究 / インスリン抵抗性 / 脂質異常症 / Thrombospondin-2 / 住民検診 / 炎症反応 / thombospondin-2 / epidemiology / atheroclerosis |
研究開始時の研究の概要 |
血清TSP-2は、心収縮能の低下した心不全の新規の予後不良マーカーとして報告されている。TSP-2は細胞外基質に発現する糖タンパクの一つであるが、我々の横断研究で、一般住民においては血清TSP-2とインスリン抵抗性と有意に関連することが明らかになった。 インスリン抵抗性が心不全発症に関与するCardio-metabolic syndromeについても注目されており、このメカニズムにTSP-2が関与しているならば、心不全発症予防に大きく貢献できる。さらに、TSP-2が心房細動などの不整脈とも有意に関連しており、TSP-2の多面的な作用を疫学的に解明するためには横断的、縦断的な検討が不可欠である。
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研究成果の概要 |
血清Thrombospondin-2(TSP-2)の多面的作用を疫学的に解明するために、2019年に長崎県宇久町で行った一般住民検診で224名にTSP-2を測定した。我々はTSP-2はインスリン抵抗性と有意な関連を示し、心房細動などの不整脈者において上昇することを示した。さらに、レムナントリポ蛋白コレステロール(RLP-C)やアポリポ蛋白(Apo A, B, C3, E)を測定し、脂質異常症との関連を調べることとした。その結果、TSP-2値は、RLP-Cなどの動脈硬化惹起性リポ蛋白と有意な正の関連が示された。 しかし、その後はコロナ禍で測定数を増やせず、住民検診による疫学的な限界も感じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血清Thrombospondin-2(TSP-2)は、近年本邦で臨床報告された心不全患者における新規の予後予測因子である。これまで我々は一般住民における横断研究で、血清TSP-2はインスリン抵抗性や心房細動と関連することを発表した。今までに同様の報告はなく、心不全発症や予後に関する縦断研究は今後の課題となっている。 TSP-2が持つ多面的作用を疫学的に解明することは、予防医学の面からも極めて学術的意義が高く、昨今、「心不全パンデミック」という用語が使われる中、TSP-2が上昇している個々人をどのように対応するのかを詳細に検討することは、社会的意義が大きいと考えられる。
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