研究課題/領域番号 |
19K10683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
一杉 正仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 妊婦 / 自動車乗員 / シートベルト / 安全 / マタニティベルト / 交通事故 / 腹部損傷 / 自動車運転 / 衝突 / 損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
妊婦がマタニティーベルトを使用して自動車に乗車することがある。しかし、マタニティベルトの安全性や有効性、さらに着用時に事故に遭遇した際の傷害発生機序に関しては検討されていない。そこで、自動車衝突試験用妊婦ダミーを用いたスレッド試験を実施する。マタニティベルトを着用した状態で時速40kmの前面衝突に遭遇した際に全身にかかる加速度や変位量、子宮内圧力変化を計測する。そして、3点式シートベルトを正しく着用した際に得られる値と比較検討する。本研究成果は、自動車事故の発生機序や乗員拘束装置の影響を明確にすることで法医実務に貢献するとともに、妊婦の安全に直接寄与することになる。
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研究成果の概要 |
一部の妊婦は、シートベルトが腹部に接触することを不快に感じ、マタニティベルトなどを用いることで腰ベルトを大腿部に接触するようにしている。その安全性を検証するために、妊婦自動車衝突試験用ダミーを用いたスレッド試験を行った。その結果、マタニティベルトなどを用いてラップベルトを大腿部に接触させるよりも、従来のシートベルトを適切に使用することで乗員は最も良く拘束され、かかる加速度や胸部たわみ量が最小になることが分かった。さらに、妊婦では身長が同じ非妊婦に比べて高い骨盤加速度とベルト荷重を受けることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、女性の社会進出が進むにつれて女性ドライバーも増加しつつあるが、妊婦が自動車を運転する機会も増加する。自動車に乗車する妊婦の安全を確保していくことが急務であるが、一部の妊婦は、シートベルトが腹部に接することに不快感を覚え、シートベルトを着用しないか、マタニティベルトを装着して、ラップベルトを大腿部に接触させている。安全性と拘束性について検討した結果、現行のシートベルトを適切に使用することが最も優れていることが分かった。本検討でマタニティベルトの安全性と拘束性が科学的に明らかになり、今後の交通安全の推進に寄与すると考える。また、自動車乗車時における妊婦の安心につながり、社会的意義は高い。
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