研究課題/領域番号 |
19K10692
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
道上 知美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00529240)
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研究分担者 |
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (10364077)
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00244731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 法医病理学 / 急性膵炎 / ケモカイン / サイトカイン / 突然死 |
研究開始時の研究の概要 |
突然死を来しうる急性膵炎の発症には総胆管結石等による膵管内圧の上昇やアルコール多飲との関係がよく知られており,重症化には種々の炎症性メディエーターの関与が示唆されている.本研究では,急性膵炎における白血球遊走因子としての特徴を有するケモカインの病態生理学的役割を解明するとともに,その重症度評価についての新規分子法医診断法の確立を目指す.本研究の結果は,法医学的分野における死因診断や病理・病態分析のみならず,消化器や救急領域などの臨床医学分野における急性重症膵炎の治療または重症化の予防にも応用可能と考えられ,学際的かつ社会的にも有意義な研究といえる.
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研究実績の概要 |
急性膵炎におけるケモカイン受容体CCR5の病態生理学的役割について検討した.【方法】7~11週齢の雄のC57BL/6J(野生型,WT)およびCcr5遺伝子欠損(KO)マウスに消化管内外分泌促進作用を有するセルレインを腹腔内投与(①群:50μg/kgを1時間ごとに10回,②群:100μg/kgを1時間ごとに6回,③群:200μg/kgを1時間ごとに6回)し,膵炎を誘発した.初回投与前および初回投与後4時間,7時間,10時間,24時間の時点で尾採血し,血清アミラーゼ(Amyl)値を測定した.【結果】セルレインの腹腔内投与により,WTおよびKOマウスの血中Amyl値は投与前の5~10倍程度に上昇した.また,初回投与後24時間の時点で採取した膵組織では急性膵炎の病理組織像が確認された.セルレイン濃度と投与回数の影響をみたところ,①群と②群ではいずれも同程度に血清Amyl値が上昇したものの,WTとKOの間に有意な差は認められなかった.③群のWTマウスでは前記2群と比較して血清Amyl値の上昇は顕著であったが,KOマウスのそれは前記2群と概ね同程度であった.さらに,③群でのWTマウスとKOマウスを比較したところ,初回投与後7時間および10時間において,WTマウスに比較してKOマウスの血清Amyl値は有意に低値であった.【考察】比較的低用量のセルレインでは急性膵炎は惹起されたもののWTマウスとKOマウスの間に有意な差は認められなかった.一方,高用量のセルレイン投与ではKOマウスに比べてWTマウスで有意にAmylが高値を示したことから,CCR5を介したシグナルがセルレイン誘発急性膵炎の増悪因子である可能性が示唆された.
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