研究課題/領域番号 |
19K10703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
武藤 淳二 科学警察研究所, 法科学第一部, 主任研究官 (80432186)
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研究分担者 |
堀田 明豊 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (90392323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ナノポアシーケンサー / 微生物 / ロングリード / 検出 / 感染臓器 / ゲノム解析 / 同定 / 法科学的試料 / 次世代シークエンス / 野兎病菌 / 臓器試料 / fastq / EPI2ME / FASTQデータ抽出 / ナノポアシーケンシング / 遺伝子検出 / 迅速同定 |
研究開始時の研究の概要 |
一般に試料中の微生物を同定する際、抗原抗体反応を用いる検査や微生物遺伝子を増幅・解析する検査などが行われる。通常は臨床症状や経過等から微生物種を推定し、種に特異的な抗体やプライマーを用いて検査を行うことから、同定に多くの時間や労力を要する。一方、当研究所で取り扱う試料は、生物テロや食品汚染など病原微生物を用いた犯罪で現場に残されたものが想定され、被害者の処置、被害拡大防止措置及び捜査のため早急な試料中の微生物同定が求められる。本研究では、ナノポアシーケンサーによる塩基配列検出技術を用いて各種法科学的試料から微生物遺伝子を検出できるか検証し、試料中の微生物を迅速に同定する方法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
法科学的試料として、野兎病で死亡したノウサギ死体の臓器や血餅等からナノポアシーケンサーを用いて野兎病菌のリードを検出できるか調べた。死後経過して腐敗した死体の試料は野兎病菌の分離培養が困難であったが、これらからナノポアシーケンサーを用いて野兎病菌のリードを検出できた。 一方、リードを解析するとリード長が短かったことが判明したため、試料調製法をロングリードを得るのに適した方法に変更した。 この方法で腐敗死体血餅を調製・解析するとリード長が延長していた。また、この方法で11年間冷凍保管していた化膿レンサ球菌を含む血液を調製し、同様にリードを検出できるか調べたところ、化膿レンサ球菌のリードが検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品汚染や生物テロ等の病原微生物を用いた犯罪では、被害者の処置、被害拡大防止の対応および捜査のため、試料に含まれる微生物を迅速に検出・同定することが求められる。本研究では、迅速性や利便性で注目されているナノポアシーケンサーを用いて、血液や臓器等の法科学的試料から含まれている微生物を検出できるか検証した。野兎病で死亡したノウサギ死体の臓器や化膿レンサ球菌を含む血液試料から目的の細菌を検出でき、法科学的試料から微生物を検出・同定するのにナノポアシーケンサーは有用と考えられる。
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