研究課題/領域番号 |
19K10704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
今泉 和彦 科学警察研究所, 法科学第一部, 室長 (00356148)
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研究分担者 |
谷口 慶 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (10649528)
小川 好則 科学警察研究所, 法科学第一部, 主任研究官 (20443088)
臼井 詩織 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (30960801)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | マイクロX線CT / 法科学 / 証拠資料 / 皮膚片 / ヒトDNA / DNA鑑定 / 3次元形状 / 微細物 / 画像解析 / 微細物鑑定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイクロX線CT観察という新技術を、現場に遺留した皮膚片の同定に応用できるかを明らかにする。また、マイクロX線照射がDNA型検出に与える影響の有無について確認した上で、観察される皮膚片の量とDNA型の検出性との関連性を明らかにする。 本研究により、現場遺留皮膚片を非破壊で定量的に同定できるようになる。また、採取担体に付着した皮膚片の3次元的な分布を知ることで、再鑑定に配慮して残すべき部分とDNA型検査に供する部分とを適正に選別できるようになる。
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研究成果の概要 |
犯罪鑑識においてtouch sampleとして重要となる皮膚片がマイクロX線CT撮影によって観察できるか否か検討した。当初は、個々の皮膚片の観察を試みたが、マイクロX線CT撮影の解像度の問題で不可能であったので、凶器等の使用時に握った部分に生じる皮膚片塊(垢)の観察の可否について検討することにした。梱包用ビニールひもを用いて実験したところ、素手で握り強く引っ張った部分には多量の皮膚片塊が観察された。この部分、皮膚片塊はないが強く握られていた部分、握っただけの部分についてヒトDNA量を定量したところ、記載の順にDNA量が多いことが示された。凶器の使用者を特定する上で、本観察法は有用と思われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
犯罪捜査において、殺人等に用いられた凶器と犯人との関連性を明らかにすることは重要である。本研究では、マイクロX線CT撮影により、縊頚を模して用いたビニールひもの握った部分に付着した皮膚片塊を、非破壊的に無染色で可視化することができ、その付着部位を3次元的に明らかにすることができた。また、皮膚片塊の付着部分を採取することでその周りの部位よりも多くのDNAが得られることも明らかとなった。 このように、マイクロX線CT撮影を用いれば、凶器と犯人との関連性を、把握部位などの犯罪態様も含めて確実に示すことができるようになり、社会的な意義は大きい。また、このような提案は他にはなく、学術的にも意義がある。
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