研究課題/領域番号 |
19K10707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
西本 裕 岐阜大学, 医学部, 教授 (20208234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 温冷交代浴 / 自律神経応答 / 心拍解析 / 皮膚温 / 末梢血管 / 心拍変動解析 / 自律神経活動 / 温度変化 / 皮膚血流 |
研究開始時の研究の概要 |
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、外傷などの後に慢性疝痛過敏状態を生ずるもので、原因が不明のまま、痛みの他に自律神経系の異常を呈することが多く治療に難渋する。温冷交代浴はCRPSの基本的治療として古くから行われているが、その温度設定(特に冷却速度)に確定したものがなく、十分な効果のある例が少ない。しかし確実な温冷交代を不快感なく継続できる治療環境を整えることができれば安全で有用な方法としてより推奨できるものになるであろう。 近い将来、自律神経活動の変動観測、皮膚血流量・皮膚温の測定、水温調整がリアルタイムに可能となる時には、本研究の結果は自律神経活動に応じた水温調整のために不可欠な要素となる。
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研究成果の概要 |
複合性局所疼痛症候群(CRPS)に対する手の温冷交代浴の効果を実証し、最適な温度調整法を提唱するために、温度変換に伴う自律神経活動、皮膚温、皮膚末梢血流を測定した。 温冷交代浴時の心拍変動による自律神経活動の分析では有意な変化をとらえられなかった。一方、手指皮膚末梢血管の血流速度には、室温よりも42℃温浴後に血流速度の低下が見られ、その後冷浴後の再温浴時には血流速度の上昇が見られた。その変化は冷浴の温度が14℃、18℃、22℃の時に有意な差は見られなかった。表面温度の推移から温度変化の2-8秒後には血管運動神経の活動が始まっている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、CRPSに対する温冷交代浴時の温度は定まらず、その機序は自律神経活動に関わることが推測されていたが、詳細不明である。今回心拍変動による自律神経活動は手の温冷交代浴の経過中有意な変化を認めることはなかったことから、体循環に影響を及ぼすことなく、細動脈レベルでの血管の収縮弛緩が影響していると推察される。また、温浴時の血流速度の測定から、単に温める時には血流が減少するのに対し、同じ温度でも冷浴後には血流速度の上昇を確認でき、温度の変化が交感神経に影響を与える可能性が示唆された。 CRPSに対する効果に対する懐疑的視点に対し、より客観的で臨床に即した有効な治療法の提示につながると期待される。
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