研究課題/領域番号 |
19K10708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
深井 喜代子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70104809)
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研究分担者 |
大倉 美穂 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (10259591)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 痛み / 月経痛 / 内臓痛 / 極小ビーズ付テープ / 触圧刺激 / せん断力 / 補完代替療法 / ゲートコントロール説 / 準ランダム化比較試験 / 微小な触圧刺激 / 介入研究 / 痛み評価 / 極小な触圧刺激 / 皮膚接触圧 / 種々の痛み / 極小ビーズ / 触覚刺激 / 鎮痛 |
研究開始時の研究の概要 |
1.急性及び慢性的な体性痛や内臓痛のある人を地域住民、学生からホームページやポスター等で募り、承諾を得て研究対象者とする。 2.ビーズテープを貼付して鎮痛が起こったとき、患者にどのような現象(変化)が起こっているかを看護モデル(in situ)で多次元的に観察する。 3.特に患者の皮膚上で起こっている現象(ビーズテープ材の素材・構造・皮膚貼付時の動態が、如何にして触・圧受容器の興奮を持続させるか)を観察するために、2とは別の実験系で、生理学的データを収集、分析する。 4.ビーズテープで鎮痛が起こる患者とそうでない患者のデータを比較し、その原因を探る。
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研究成果の概要 |
当研究グループは、極小ビーズを高密度に敷き詰めたテープ(ビーズテープ、以下、BT)を疼痛部に貼付すると痛みが和らぐことを関節痛や筋肉痛などで明らかにしてきた。そこで本課題研究では、月経痛のある女性の下腹部皮膚にBTを貼付する準無作為比較試験を行い、BTが月経痛、すなわち内臓痛にも有効であることを明らかにした。BT貼付による鎮痛は皮膚とBTの接触面に生じるせん断力(ずれ又はすべり)が触覚神経を興奮させた結果引き起こされたと推察される。BT貼付という触圧刺激がもたらす鎮痛現象はMelzackとWall(1965,1968)のゲートコントロール説を支持する有力なエビデンスを提供した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
触圧刺激を利用した痛みの補完代替療法にはマッサージがよく知られているが、芳香や温熱など他の方法と組み合わせて実施されることが多く、痛みを修飾する可能性のある複数の要素が含まれるため鎮痛効果を評価しにくい。マッサージはまた、施術者が手掌で実施するために対人間の心理的作用も無視できない。これに対してビーズテープ貼付による鎮痛は単に皮膚の機械的な触圧刺激によって起こる現象であるため、痛みの評価(鎮痛効果の判断)が容易で、費用対効果の高い、斬新な補完代替療法といえよう。学術的には、補完代替療法の鎮痛機序をゲートコントロール理論で合理的に説明できるという意義がある。
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