研究課題/領域番号 |
19K10731
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
渡邊 智恵 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00285355)
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研究分担者 |
西上 あゆみ 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (30285324)
藤井 知美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (30734008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 復興感 / 風水害 / 災害看護 / 災害 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、さまざまな自然災害が多発して、直後から中長期の生活再建ができるまでの復興期における支援活動がされている。世界的にも風水害の発生件数が一番多く、日本では特に被害の大規模化に伴い対応が求められている。しかしながら、風水害後の被災者の復興過程そのものや、被災者がどのような状況になった場合に生活再建ができたことを実感するのかは、明らかになっていない。 本研究の目的は、風水害後の被災者の復興過程とともに復興感に影響するものを明らかにすることである。本研究によって、風水害後の復興を促進することや災害時におけるかかわり方全般に示唆を得ることができ、そのケアに関する基礎的な資料となる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、風水害後の被災者の復興感について、復興感に影響するものを被災者側と支援者側との認識を質的調査で明らかにすることである。本研究によって、風水害後の復興を促進することや風水害時における支援のあり方全般に示唆を得ることができ、そのケアに関する基礎的な資料となる。 令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、令和3年度の追加調査として看護職1名にインタビュー調査を実施した。看護師側には総計7名の協力を得て、その基本属性は、50代が一番多く5名で、資格では看護師資格4名、保健師資格3名で、臨床経験の平均は21年であった。 結果は、復興感に否定的な影響として「健康への悪影響」「感染症の発症」「ハザードの存在」「繰り返す災害」「以前からの生活・健康問題が顕在化」等を抽出した。肯定的影響としては、「時間」「経済的な安定」「生きがいの創出」「他者との繋がりを持つこと」「災害の備えが始まること」が復興感に影響をしていた。否定的影響として挙げられたものは、毎年どこかで風水害が繰り返されているため、思い出して健康に悪影響を及ぼし、すぐには復旧・復興できないことでハザードがそのまま残っているという風水害の特性が明らかになったと考える。支援のあり方としては、「不安などを傾聴する」「思いを表出する場を設ける」に加えて「高齢者に配慮する」というカテゴリーが追加された。被災者に対して心身のケアを行いつつ、高齢者等の要配慮者を含めて、地域社会の再建に向けて意図的に関わることが重要であることが示唆された。 さらに令和4年度は、風水害の被害を受けた住民側がどのような復興感を持っているのか、復興感に影響したものを明らかにするために半構成型インタビュー調査を計画した。倫理審査を11月承認を受けた後、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見ながら、8名の住民の方に協力を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の最後の段階で予定していた風水害の被害を受けた住民に対するインタビュー調査についての倫理審査を11月に承認を受けた。新型コロナウイルス感染症の感染状況を見ながら、対面でのインタビューが難しい場合にはその他の方法で実施できるように選択してもらうように配慮したが、対面で調査をすることができた。住民へのアクセスについては、防災士会等からの紹介をしていただきながら、総計8名の方にインタビューを受けてもらうことができた。これにより、風水害の被災者支援を行った看護職側と、被害を受けた住民側の両者の意見をうかがうことができたため、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今回の調査により、風水害の被害を受けた住民側のインタビュー調査ができたため、その前年に実施した風水害の被災者支援をした看護職側のインタビュー調査と比較検討して、風水害の復興過程に関する両者の認識の共通点や相違点を明らかにして、支援者としてどのような関わりを持つことが重要なのかということについて、さらに検討を深めていく予定である。 可能であれば、日本災害看護学会等のワークショップで研究結果を報告し、看護職に対して風水害時の被災者支援についての知見を広めていきたいと考えている。
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