研究課題/領域番号 |
19K10747
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
堀込 由紀 群馬パース大学, 看護学部, 准教授 (00512493)
|
研究分担者 |
萩原 一美 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (30832894)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 異文化コミュニケーション / 日本人看護師 / 外国人患者 / 困難 / 学習ニーズ / テーマ的ナラティブ研究 / 教育プログラム / 質的記述的研究 / 異文化間コミュニケーション / シミュレーション教育 / 看護 |
研究開始時の研究の概要 |
在日、訪日外国人が急増しており、新たな在留資格の創設等により今後もインバウンドは増加すると予測されている。国内で働く日本人看護師の多くは外国人患者への対応に困惑したことがあるとの報告が複数あり、その要因で最も多かったのはコミュニケーションが取れないことによるケア上の困難であった。外国人患者に対する臨床ケアに有益な学習機会の提供は喫緊の課題である。 本研究では、外国人患者にケアを提供している日本人看護師の体験と学習ニーズにフォーカスを当てそれを明確にし、臨床において外国人患者への安全で適切なケアの提供に資する異文化コミュニケーション強化のためのシミュレーション教育モデルの開発を行う。
|
研究実績の概要 |
2021年に実施した看護師5名へのインタビュー結果を基に、外国人患者に対するケアを提供する際に「困難を感じた場面とその工夫」、「困難を解決するための学習ニーズ」について、Riessmanのテーマ的ナラティブ分析を参考に質的探索的に「何が語られたか」に関する共通のテーマを抽出した。困難と感じたケア場面では<死生観を含む価値観の違い>、<治療・検査に関連する困難>、<日常的なケアに関する困難>、<病院のルールに関連した困難>、<コミュニケーションに関する困難>、<病院・組織全体の管理に関する困難>の6つの困難に関するテーマが抽出された。工夫したことについては<宗教に関連した配慮>、<翻訳機器や医療通訳、ビジュアルエイド等の活用>、<専門的な多職種協働>が抽出された。この分析結果は、先行研究とほぼ一致した。この結果は2022年7月に開催された第24回日本医療マネジメント学会学術総会で発表した。逐語録から学習ニーズについては、<外国人患者の日本の医療に対する認識と期待の把握>、<外国人患者の文化・生活様式と価値観の把握>、<外国人患者と相互理解を深めるためのコミュニケーションスキル>、<外国人患者に対応する多職種協働の在り方>の4つのテーマが抽出された。外国人患者が日本の医療をどのように認識し何を期待しているかという意識の把握や、受け入れる際に配慮が必要な、外国人患者の宗教や文化等に対する知識獲得のニーズが把握された。この知識を前提にコミュニケーション上の齟齬を未然に防ぐための対策や倫理的問題の対応、外国人患者と相互理解を深めるためのコミュニケーションスキルの獲得に関するニーズがあった。さらに多職種の役割分担に関する学習ニーズが明確となった。この分析結果は2022年12月に開催された第42回日本看護科学学会学術集会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の蔓延や新カリキュラムへの移行に伴い大学業務が多忙となった。そのため分析に時間がかかった。分析結果については学会で発表ができたが、分析結果から異文化コミュニケーションに関する教育プログラムについて検討する時間が取れなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、日本人看護師が外国人患者に安全で安楽な看護ケアを提供できるように、本研究を基礎資料とした異文化間コミュニケーションに関する教育の機会提供と効果的な教育モデルの構築を進めていく。
|