研究課題/領域番号 |
19K10772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (80305268)
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研究分担者 |
及川 正広 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60537009)
小野木 弘志 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (50610200)
藤澤 望 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60807048)
鈴木 美代子 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30558888)
武田 利明 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (40305248)
小向 敦子 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (10882029)
高橋 亮 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60882008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 硬結 / 筋肉内注射 / 硬結予防ケア / 看護ケア / 抗エストロゲン剤 / 油性徐放性製剤 / 油性徐放性注射剤 / 予防 / 硬結予防 / 看護 |
研究開始時の研究の概要 |
2019年度:研究①「ハロマンスの硬結に対する中殿筋運動の効果の検証」として,臨床において中殿筋運動による介入研究を行い効果を検証する. 2020年度:研究②「フェソロデックス投与部位の組織の様子と筋運動の影響」として,動物にフェソロデックスを筋注しハロマンス同様の組織変化があるか基礎研究を行なう. 2021年度:研究③「フェソロデックスの硬結に対する中殿筋運動の効果の検証」として,臨床において中殿筋運動による介入研究を行い効果を検証する. 2020年度:4年間の研究成果をまとめ,筋注後の筋肉運動を「油性徐放性製剤の筋注により発生する硬結を予防するための看護ケア方法」として確立する.
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研究実績の概要 |
研究代表者はこれまでに、精神科領域で使用されている油性徐放性製剤の筋肉内注射後に発生する硬結が患者のQOLに影響を及ぼしていることを問題として取り上げ、治療上やむを得ない筋肉内注射であっても看護ケアによって硬結を防ぎたいと考え研究を重ねてきた。その中で、薬液を筋肉内に留める確実な注射を行った上で、注射後速やかに投与した筋が収縮する運動を行うことで、硬結の発生をある程度抑え、発生したとしても短期間の消失を期待できる知見が得られた。この看護ケアは油性という薬剤の性質を踏まえた方法であり、今回同じ油性の性質をもつ別の薬剤での効果を確認し、期待する効果が得られれば油性徐放性製剤の硬結予防ケアとして確立できると考えた。 最初に、今回検証する抗エストロゲン製剤による硬結に関し、臨床看護師を対象とした質問紙調査を行った。その結果、約6割の看護師が、抗エストロゲン製剤注射後の硬結を経験し、そのうちの8割が硬結への対応が分からずそのままにしており、2割は患者に対し何らかの配慮を行っているものの効果の自覚はなく、抗エストロゲン製剤を扱っているほとんどの看護師が硬結対応に苦慮している実態が明らかになった。計画では質問紙調査の結果を踏まえて臨床での参加観察、その後に動物を用いた基礎実験での検証を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延のために臨床での調査を行うことができず、やむを得ず動物実験を行い肉眼観察まで行ったところである。肉眼での筋肉内注射部位の観察では、注射後に何もしない群と筋収縮運動をさせた群とでは、どちらも腫脹や軽度発赤が見られたが明らかな差はなかった。現在、組織学的な検索を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、質問紙調査を行い、その結果を踏まえた臨床での参加観察研究、その結果を踏まえた動物実験、その結果を踏まえた臨床での効果の検証という、それぞれ前段階における研究結果をもとに次の段階の詳細な方法論を詰める計画を立てていた。 質問紙調査を行い分析し結果を明らかにすることまでできたが、その後、新型コロナウイルス感染症が蔓延し、臨床調査の承諾が下りるまで待っていたが感染症が収束しないまま承諾が得られず、この間研究を中断せざるを得ない状態であった。 令和5年度に計画の順番を変更して、動物実験を行ったところである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は特別措置として延長していただいたため、今後は残りの研究期間を考えて変更した計画に基づき研究を進めていかざるを得ないと考えている。したがって、当初の計画すべては完遂できない可能性があるが、明らかにできなかった内容については今後の課題としたい。
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