研究課題/領域番号 |
19K10780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 青森中央学院大学 |
研究代表者 |
松島 正起 青森中央学院大学, 看護学部, 准教授 (30632749)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 気づき / 観察 / 注視 / 認知 / 注意 / 不快 / 看護学生 / 安楽 / 看護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は看護学生を対象として、点滴確認場面で患者の不快状態に気づく者と気づかない者の視線の違いとそれらへの気づきに影響する要因について明らかにする。そして、看護行為に注意が集中しやすい場面でも、患者の不快状態に気づける簡単な事前指示を検討し、その効果を検証することを目的とする。 方法は、個室病室を設定し模擬患者が苦痛を感じる姿勢にして、対象者に点滴確認を行うよう指示する。アイマークレコーダにて入室から退室までの視線を録画し、気づきの有無と内容、それらに影響した要因についてインタビューする。分析結果から事前指示を検討して、同様の場面設定でシミュレーションを行い、その効果を検証する。
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研究成果の概要 |
看護学生が行為場面で、予期していない患者の不快状態に気づくか否か実験し、注視点と作動記憶容量、主観的作業負荷を測定した。その結果、患者への注視は、気づいた群と気づかない群に差がなかった。気づかない群は、作動記憶容量とタイムプレッシャーが大きく、タイムプレッシャーを感じ、行為に集中したため、患者の不快状態に気づかなかったと考えられた。 次に、臨地実習前後で同様の実験をし、注視点を測定し、行為中の思考と実習中の経験について聴取した。その結果、実習後のみ気づいた群は、実習後の患者への注視が実習前より増えた。実習前後共に気づかない群は、実習後の患者への注視が減り、患者に注意が向きにくくなっていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
看護師が患者の療養生活をしっかり支えることができれば、患者自身の中に回復していこうとする意欲がおき、患者の回復につながる。しかし、昨今の医療現場では、医療安全や事故防止が優先され、療養生活にともなう患者の不快を解消するためのケアが後回しにされていると指摘する声もある。 本研究では、これまで明らかにされていなかった、看護学生が予期せぬ患者の不快状態に気づく要因と気づかない要因が明らかになり、臨地実習や学内演習での教育方法に示唆が得られた。これらの知見は、多重課題や時間的な制約を伴う臨床現場でも、患者の療養生活を支えられる看護師を育成するための看護基礎教育において活用できる。
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