研究課題/領域番号 |
19K10806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 新見公立大学 |
研究代表者 |
木下 香織 新見公立大学, 健康科学部, 教授 (30270010)
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研究分担者 |
山本 智恵子 新見公立大学, 健康科学部, 准教授 (60591576)
真壁 五月 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (90274050)
安田 陽子 新見公立大学, 健康科学部, 講師 (80813625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 看護師 / 継続教育 / 中山間地域 / 小規模病院 |
研究開始時の研究の概要 |
人口減少と少子高齢化が進み、過疎化が著しい中山間地域では、医師・看護師不足が深刻化し、安定した継続的な地域医療を確保する体制づくりが課題である。加えて、急性期医療施設が少ない中での医療・看護活動には、都市部の医療・看護活動とは異なる知識・実践力が求められる。中山間地域の小規模病院では、スタッフの人員不足ならびに経験・年齢層の偏りのため、継続教育の実践に困難を生じている。そこで、本研究では、小規模病院間の連携を基礎に、中山間地域で活躍できる看護師の継続教育のプログラム(中山間地域継続教育プログラム)を構築し、実施・評価することを目的とし、中山間地域の看護師の生涯学習体制の整備をねらいとしている。
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研究実績の概要 |
大学近隣の4つの小規模病院との「中山間地域継続教育プログラム」のチーム(以下、通称「看育ぴおーえん」とする)での活動を継続している。活動内容は、①新見版 看護師のクリニカルラダー作成に向けた検討、クリニカルラダーと関連して②具体的な教育プログラムの検討・実施、③活動経過報告書の作成であった。また、毎月1回、看育ぴおーえんの会議(オンライン)を開催し、スモールステップではあるが継続した検討をしている。 ①新見版看護師のクリニカルラダー作成に向けた検討では、看育ぴおーえんとは別に、4病院から選出された看護師のクリニカルラダー作成検討チーム(以下、通称「看育ラダー」とする)を組織し、看育ラダーで検討された事項が各病院で共有され、院内活動がなされる体制ができた。看育ぴおーえんでは、看育ラダーならびに各病院での進捗状況が報告される。 ②具体的な教育プログラムの検討・実施では、臨床看護師が講師を務めるオンライン研修会(通称「まなびの森にいみ」)を計7回実施した。動画を撮影してオンデマンド配信も行ない、受講や復習を勧奨している。7回のテーマは、「新人看護師の1年の歩み-事例を通じたふり返り-」「院内急変時の対応」「外来感染対策の現状」「血糖測定の今 フリースタイルリブレのお話し」「脊椎圧迫骨折の看護」で各病院の診療科をふまえて多岐にわたる。また、市内で開催されたAdvanced Life Support研修の動画配信による研修も行った。新人看護師を含む4病院の若手看護師の交流会も開催した。 ③活動経過報告書の作成では、「中山間地域に位置する医療機関における看護職員の継続教育の支援活動報告と今後の課題」と題して、2017年から5年間の活動をまとめた。ルーラルナーシング実践力の醸成を目指して、新見版看護師のクリニカルラダーの作成と医療機関への導入、教育プログラムの作成が今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
毎月1回のオンライン会議での検討を継続しているが、具体的な検討においては大きく遅れている。4病院で共有して使用できる看護師のクリニカルラダーの作成を目指した活動では、各病院内での理解と協力が不可欠である。しかし、中山間地域の小規模病院では深刻な人員不足が続いており、コロナ禍の影響も含めて厳しい現状のなか、活動を進めにくい状況にある。また、継続教育プログラムの汎用性向上に向けた調査についても、コロナ禍の非日常的状況からの回復経過にあるため、実施を見送った。
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今後の研究の推進方策 |
①プロジェクト会議は、引き続きオンライン会議を基本として、コロナ禍の医療機関の負担等を考慮しておこなう。継続的に会議を開催することで、スモールステップでも活動を継続できるように導きたい。 ②新見版看護師のクリニカルラダーの作成については、4病院から選出された看護師のクリニカルラダー作成検討チームの活動の推進によって、各病院内での具体的な活動の促進につなげていきたい。近隣地域で看護師のクリニカルラダーを導入している小規模病院で、ラダー構築・評価に向けて、ラダー評価の方法を学ぶネットワークを得たので、同様の規模の施設での取り組みに学び、新見地域での活動に活かせるようにしたい。 ③現在、継続している臨床看護師による研修会や若手看護師の交流会、シミュレーショントレーニングなど、これまで企画・開催してきた内容の位置づけも含めて、ラダー作成に向けていきたい。具体的な教育プログラムについては、現在実施している研修会等の継続とともに、新人~卒後5年目までの重点的なプログラムと中山間地域に多い中途採用者を含めた中堅以上の全看護師を対象としたプログラムを作成していけるよう、新人・2年め看護師のプログラムの再検討、卒後3~5年め看護師のプログラムの新規計画とともに、実施可能な事業を実施する。若手看護師の継続教育においては、プリセプターを交えた内容の検討も必要である。 ④継続教育プログラムの汎用性向上のための調査についても、医療現場のコロナ禍からの回復の状況をみながら調査依頼を行う。
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