研究課題/領域番号 |
19K10841
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
戸田 登美子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (90512658)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 多文化理解 / 尺度開発 / 看護能力 / イスラム教 / 文化的感受性 / イスラム教徒 / 外国人患者 / 文献検討 / 多文化看護 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、訪日外国人、特にイスラム圏からの訪日客が増加し、医療機関におけるイスラム教患者への対応整備は喫緊の課題となっているが、イスラム教患者の看護に関する教材や異文化看護能力の評価方法は開発されていない。 本研究では、イスラム教の看護に関する文献レビュー、イスラム教患者の対応経験を有する看護職や専門家へのインタビューを元に、看護師用イスラム教患者へのケア教材及び看護実践能力指標を開発する。その後、看護職や市職員等を対象にしたワークショップを開催し、コメンテーターとしてイスラム教徒を招き、イスラム教の理解の促進をはかる。また、HPを開設し、開発したケア教材やイスラム教徒向けの医療情報を掲載する。
|
研究実績の概要 |
近年、日本ではインドネシアなど、イスラム圏からの在留者が増加している。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより一旦は微減したが、流行が沈静化した現在は、訪日及び在留外国人数は再び増加傾向にある。医療機関においてはイスラム教患者への適切な看護が求められるが、イスラム教に関する看護研究は事例紹介が散見される程度である。よって、本研究では、イスラム教患者に対応する看護師の看護実践能力指標を開発することを目的としている。 2021年度までに、質的・量的調査を行い、看護実践能力指標の原案の妥当性・信頼性を検証し、1.属性、2.文化・宗教に関する知識及び実践、3.看護における文化的感受性、4.自由記載 の4部で構成される看護実践能力指標を開発した。量的調査の結果、イスラム教患者の対応経験のある者は全回答者の約1割であり、文化・宗教の知識を問う設問では正答率の低い設問が散見されたが、臨床経験の浅い時期より文化・宗教に関する基本的知識を獲得することの重要性が示唆された。また、3.看護における文化的感受性は、探索的因子分析の結果、29項目6因子構造となり、一定程度の内部一貫性や再現性、併存妥当性が確認されたが、改善の余地があり、今後精選が必要である。質的調査では外国人患者の対応経験のある医療職者7名を対象にインタビュー調査を行い、内容分析を行った。 2022年度は、看護師実践能力指標のうち、文化的感受性を除く1.属性、2.文化・宗教に関する知識及び実践について論文化し、公開した。また、質的調査についても、海外の医療文化をふまえて再度分析し、海外の学会誌に投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、看護師対象のワークショップ開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の感染状況及び外国人旅行者の訪日制限を鑑みて、集合型・一回性の企画からウェブサイトを通じた情報公開に方法を変更した。研究成果のうち、看護師実践能力指標の一部は学会にて発表し、論文を通じて公開中である。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、現在投稿中の論文を通じて、質的調査の結果を公開し、本研究を終了する。
|