研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では、「うま味刺激は、口腔環境を改善し2型糖尿病患者の甘味嗜好を弱め糖尿病改善に有効である」か、明らかとすることを目的とする。口腔環境・味覚・食行動をひとつのネットワークと捉え「うま味成分の摂取→うま味刺激→口腔環境の変化→味覚感受性の改善→糖尿病患者の甘味嗜好の抑制」という新規食事療法の有効性について検証する。
糖尿病患者は、唾液量の減少や歯周病リスクが高く味覚障害を有している。本研究では、うま味刺激は、口腔環境を改善し2型糖尿病患者の甘味嗜好を弱め糖尿病改善に有効であるか検討した。結果、うま味成分の摂取は、2型糖尿病患者の唾液分泌量の増加を促す傾向があり、体重、BMI、FBS、TNF-αの有意な低下を認めた。これら結果から、うま味刺激は2型糖尿病患者の甘味嗜好を弱め病態改善に有効である可能性が示唆された。
糖尿病研究の多くは、糖尿病病態のメカニズムやそれに基づいた治療薬の有効性についての検討が主である。医療費の問題や実際の臨床現場に即した治療としては、食事指導に基づいた食習慣の改善を図ることが有効であり、増え続ける糖尿病者(予備軍)に歯止めをかける手段としても重要である。うま味刺激に注目し且つ、社会状況(医療費問題、患者主導の治療)に即した食事指導としては、これまでにない着眼点であり、国内外を問わず、報告はない。本研究により食事指導による新規治療法確立の先駆けとなる事が期待される。
すべて 2021 2020 2019 1963
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Yonago acta medica
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