研究課題/領域番号 |
19K10854
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
坂本 祐子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (20333982)
|
研究分担者 |
山手 美和 福島県立医科大学, 看護学部, 博士研究員 (80347202)
大崎 瑞恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70525948)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | 心不全 / 緩和ケア / 高齢者 / 家族 / 慢性心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高齢心不全患者と家族のAging in Placeを支える心不全緩和ケアを開発するために以下3つの課題に取り組む. 課題①では文献検討・概念分析から「高齢心不全患者・家族のAging in Place」と,「高齢心不全患者と家族のAging in Placeを支える心不全緩和ケア」の試案を作成する.課題②では高齢心不全患者と家族を対象に療養生活の実態調査を行う.課題③では看護職者を対象に高齢心不全患者と家族に行われている緩和ケアの実態について面接・質問紙調査を行う.最終年度では課題②③から得られた内容を統合し,高齢心不全患者と家族のAging in Placeを支える心不全緩和ケアの開発を行う.
|
研究実績の概要 |
高齢心不全患者と家族が、どのような思いから療養生活の場を選択し、「心不全と共に生きる」生活をどのように送っているか、看護職に求める心不全ケアを明らかにすることを目的に、高齢心不全患者4名(入院患者1名、外来患者3名)、患者家族1名(外来通院)を対象にインタビュー調査を実施した。将来の療養先については入院患者からのみ語られた。日常生活については、全例が毎日あるいは定期的に体重・血圧測定を実施していたが、測定値を心不全コントロールの指標と理解していなかった。看護職の求めるケアについてはインタビューの中では名言されなかった。患者・家族ともに通院手段の確保の難しさ、内服薬管理を工夫しているが現状以上の変更への対応は難しいことが語られた。 また、高齢心不全患者のケアする看護師が抱く療養支援に対する思いと看護実践を抽出することを目的に看護師6名(訪問看護師1名、外来看護師2名、病棟看護師3名)を対象にインタビュー調査を実施した。訪問看護師、外来看護師、病棟看護師ともに、それぞれの所属機関間、所属機関内・医師との連携の成功例を持ちながらも、語りの多くは希薄さ・難しさであった。外来では配置看護師の少なさから「気になる患者」をキャッチしながらも対応できないもどかしさ、病棟看護師からは医師・家族との今後の見通し・治療方針について検討が難しく、対応が遅れ遅れになるもどかしさなどが語られた。 これらと先行研究をもとに心不全緩和ケアを検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査を依頼した医療機関・事業所においてcovid-19に関する外部者立ち入りの制限が異なり、効率的にインタビュー対象者をリクルートすることが難しく、そのため患者・家族・看護師ともに目標例数に到達できていない。特に入院患者と訪問看護師のインタビューは各1名に留まるなど、例数のばらつきから得られたデータの解釈にも時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度に収集したインタビューデータおよび先行研究から得られた知見を検討し、高齢心不全患者と家族のAging in Placeを支援する緩和ケアモデルの試案の検討・洗練化を行う。試案の検討には、福島県内の慢性心不全認定看護師4名と緩和ケア認定看護師各2名によるフォーカスグループインタビューと、福島県内の看護職を対象としたアンケート調査を計画している。
|