研究課題/領域番号 |
19K10880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 (2019, 2021-2023) 東京医療保健大学 (2020) |
研究代表者 |
伊東 朋子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 非常勤講師 (30305841)
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研究分担者 |
松成 裕子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00305848)
品川 佳満 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30347702)
松川 寛二 広島大学, 医系科学研究科(保), 名誉教授 (90165788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ALS筋萎縮性側索硬化症 / 認知レベル / TLS完全閉じ込め状態 / NIRS / BIS / 筋萎縮性側索硬化症 / 前頭側頭型認知症 / 嗅覚刺激 / ALS / 近赤外線 / コミュニケーション手段 / TLS |
研究開始時の研究の概要 |
ALSは従来、知的機能は保たれ、認知症は伴わないとされてきたが、近年、認知機能障害を呈する割合が増加し、重症化することが指摘されている。さらに疾患が進行し、無言無動の完全閉じ込め状態(totally locked-in state:TLS)にあるALS患者(ALS-TLS)の認知レベルの評価は十分には行われていない。 近年、認知症の重症度の判定等にNIRS(近赤外分光法)を用いた研究が行われ、血流量の低下と認知レベルの低下との関連が示されている。本研究ではNIRSを用いて、ALS患者の脳血流状態を計測し、認知レベルの評価を行い、その評価に応じたコミュニケーション支援のあり方について検討する。
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研究成果の概要 |
研究開始年度にCOVID-19が蔓延し、ALS患者対象の研究は困難であったが、5種類の嗅覚刺激を負荷し、NIRSによる脳血流のヘモグロビン量を若年健常者とALS好発年齢60歳以降の成老年健常者の各30名を対象に測定した。 5種類の嗅覚刺激ではいずれの年代も花や果実のニオイに快を示し、靴下やカビのニオイに不快を示したが、若年健常者と成老年健常者では有意差はなかった。左脳のヘモグロビン量の一元配置分散分析の結果、有意差が見られた。左脳は言語や計算などの知性と関係し、右脳は視覚、聴覚、嗅覚の五感や感情に関係していると言われ、今後、ALS患者における前頭前野の血流状況を考慮した計測が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALS患者の認知レベル評価にNIRSを用いて、脳血流の酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)を指標として課題実施時と休息時に計測し、その動態から認知レベルを評価することが意義の1つである。このNIRS評価を補完するものとしてBIS(Bispectral index:催眠レベル測定機器)を用いる。BISは意識や認知を反映する脳波成分のガンマ波に注目していることも特筆され、同時計測を行う。特にALS-TLS(完全閉じ込め状態)患者との意思疎通が可能かどうか、意思疎通を可能とするコミュニケーション支援はどのように提案できるかが2つめの意義であり、これらが本研究の学術的及び社会的意義である。
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