研究課題/領域番号 |
19K10904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
寺町 芳子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (70315323)
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研究分担者 |
上田 貴威 大分大学, 医学部, 准教授 (30625257)
奥田 健太郎 大分大学, 医学部, 講師 (60284808)
伊東 弘樹 大分大学, 医学部, 教授 (50420641)
佐藤 雄己 福山大学, 薬学部, 教授 (00570087)
大野 夏稀 大分大学, 医学部, 助教 (20818596)
畑中 明子 大分大学, 医学部, 看護師長 (20839154)
佐藤 千鶴 大分大学, 医学部, 副看護師長 (20839162)
井川 梨恵 大分大学, 医学部, 看護師 (30839139)
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 教授 (30336284)
田中 遼大 大分大学, 医学部, 准教授 (30781736)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 術後疼痛 / アルゴリズム / 評価指標 / 術前オリエンテーション / 硬膜外鎮痛 / PCA / NRS / 症状マネジメント / 痛みの評価指標 / ERAS / マルチモーダル法 / 薬物動態 / 痛みの評価 / アキュートペインサービス / 緩和ケア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、術後疼痛緩和を治療期からの緩和ケアとして捉え、臨床現場の看護師による術後疼痛の症状マネジメントがエビデンスに基づく実践となり、治療期からの緩和ケアが促進されることを目指し、今後のわが国での術後急性痛サービスチームによる総合的アプローチやマルチモーダル鎮痛法の普及を視野に入れ、フェーズ1:実態調査、フェーズ2:フェーズ1の実態調査と文献等に基づくアルゴリズムと評価指標の作成、フェーズ3:作成したアルゴリズムと評価指標の有効性と実用可能性の検証段階を経て、術後疼痛の病態・生理や薬理学的なエビデンスに基づいた除痛アルゴリズムと評価指標を構築することを目的とした学際的な研究である。
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研究実績の概要 |
1.前年度に行った「術後疼痛緩和に携わる医師・看護師の症状マネジメントの実態」の結果と文献に基づき「術後疼痛の鎮痛アルゴリズム」と「術後疼痛の評価指標」案を作成し、その有用性を検証する研究計画を立案した。 2.1.で立案した研究計画について臨床研究の専門家に助言を求め、有用性を検証する上ではアルゴリズムと評価指標の必要性の根拠を、現在の鎮痛法により患者が満足する鎮痛が十分に得られているか否かについて患者の視点で明らかにして示すことが必要との助言を受けた。これを踏まえ、「手術療法を受けた患者が体験している術後疼痛と鎮痛の実態」の研究計画を立案して倫理審査を受け、患者15名からインタビューによるデータを収集した。 3.術後疼痛の鎮痛に対して先駆的に実施している医療機関での施設見学による知見を加え、作成していた「術後疼痛の鎮痛アルゴリズム」と「術後疼痛の評価指標」案の修正を行った。 4.インタビューデータの分析の結果、①手術室から帰室までの時間の鎮痛が十分でない例が47%あった。②現在のアセリオIVの3回/日の定期投与と局所麻酔薬の硬膜外鎮痛だけでは効果が十分と言えない例が30%あった。③臥床時は鎮痛できていても離床などの活動時の痛みを多くの患者が体験していたが、PCAはあまり活用されていなかった。④術後疼痛は患者自身で何かできる範疇にないので医療者に任せるしかないと捉えており、任せているので不安はない・考えたこともないとの意見が多かった。④鎮痛の評価では、鎮痛が十分に図られていない場合でも、仕方のないことと評価している場合が多かった。⑤現像の術前オリエンテーションではNRSやPCAの使用に関する情報提供が十分でないなどが明らかになった。より多くの患者に対して術後疼痛の鎮痛を図るためには、3.の修正アルゴリズムと評価指標が必要であり、術前オリエンテーションを含めた検証を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、アルゴリズムと評価指標の有用性の検証を行う予定であったが、患者の術後疼痛の鎮痛に関する実態と評価の調査を行う必要が生じた。そのため、有用性の検証が遅れることとなった。 患者の術後疼痛の鎮痛に関する実態と評価の調査については、倫理審査の期間、および新型コロナ感染症による手術の制限などによりインタビューの時期が遅くなったが、本年度中に実施することができ、大まかな分析までは終了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度1年延長をして、本年度の研究対象者が手術療法を受けた病棟で「術後疼痛の鎮痛アルゴリズム」と「術後疼痛の評価指標」の修正案、NRSやPCAに関する情報提供を含めた術前オリエンテーションを使用し、有用性の検証を行う予定である。 また、本年度実施した「手術療法を受けた患者が体験している術後疼痛と鎮痛の実態」の研究結果について学会発表を行っていく予定である。
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