研究課題/領域番号 |
19K10921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 名古屋女子大学 (2021-2022) 白鳳短期大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
内藤 紘一 名古屋女子大学, 医療科学部, 講師 (50781613)
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研究分担者 |
井澤 和大 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (10736185)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心疾患 / 在宅 / 身体活動量 / 座位行動 / 生活空間 / 住環境 / 心臓リハビリテーション / 身体活動 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の外来での心臓リハビリテーション(心リハ)の普及は大幅に遅れており、早急な改善は困難である。そのため、外来心リハが実施困難な患者への現実的な代替手段として、在宅心リハが挙げられる。在宅心リハでの運動処方・指導において、日常の「身体活動・座位行動」が重要と考えられるが、詳細な実態は未解明である。 そこで本研究では、身体活動を数値として表すことが出来る活動量計を用いて心疾患患者の退院後の身体活動・座位行動を計測し、その実態の詳細を明らかにすることと、それに基づいて退院後の身体活動・座位行動を退院時に予測できるような評価モデルの構築を行う。
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研究実績の概要 |
新型コロナ感染症の影響が長期化したことで、データ収集に関して抜本的な見直しが必要となった。このため、研究協力施設とデータ収集に関して新しい体制を構築し、データ収集を再開し、新型コロナ感染症発生以前に近い状況にまでデータ収集速度が回復した。データ集積を継続しつつ、これまで収集したデータから解析を行い、心不全患者における客観的に測定された在宅での座位行動・身体活動と退院時の嫌気性代謝閾値(AT)の関係を検討した。この結果、心不全患者の退院後2週間は、座位行動は覚醒時間の71%と長く、歩行は5%、生活活動は24%であった。座位行動を除いた全体の活動の平均は2.2メッツ、歩行は2.6メッツ、生活活動は2.2メッツを示した。それらのATに対する割合は、全体76%、歩行90%、生活活動72%を示した。またATが低いほど、座位行動割合は増加した(r=-0.57, p < 0.001)。したがって、心不全患者の退院後の活動量は低く、心肺運動負荷試験で測定されたATが低いほど座位が長くなることが示唆された。尚、本演題は第26回日本心不全学会学術集会において口述発表に採択され、優秀演題賞を受賞した。 さらに身体活動量の運動強度としての側面から解析を進め、心臓病患者の退院時嫌気性代謝閾値が3メッツ未満であることは退院後の生活が過負荷になるリスクを増長することを明らかにした。ATが3メッツ未満であると身体への負担は約26%上昇することが明らかとなった。感度分析の結果、本結果が有意である可能性が高いことが判明した。このことから、AT3メッツ未満では、過負荷に注意したADL指導が必要であることが判明した。この結果は、第87回日本循環器学会学術集会のチーム医療セッションでポスター発表に採択され、発表した。 現在は、論文化を進めるとともに、住環境面での解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響で、データ集積が予想よりも大幅に遅れた影響を取り戻すには至っていないため。
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今後の研究の推進方策 |
データ集積は終了したため、2023年度はデータの解析と結果の公表を行っていく。さらに論文化を勧め、国際誌(オープンアクセスジャーナル)への投稿を進める。
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