研究課題/領域番号 |
19K10941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 慢性病 / エンドオブライフ / 体験理解 / 質的研究 / 軌跡 / 慢性疾患 / エンドオブライフケア / 慢性疾患ケア / 緩和ケア / セルフケア / セルフマネジメント / 人生の最終段階 / 慢性疾患患者 / 生き方 / 看護実践指針 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎えた日本において、複合的疾患をもって入退院を繰り返し病院で亡くなる慢性疾患患者は多い。本研究は、先行研究において抽出された患者の体験理解に基づく看護実践項目を活用し、臨床看護師が日常の看護実践を通してエンドオブライフ期慢性疾患患者の体験の理解を深め、患者の価値と生き方を反映した医療ケアの提供につなげる看護実践指針を明らかにすることを目的とする。これにより、いつからが終末期かが見極めにくい特徴をもつ慢性疾患患者の経験の連続線上にケアがつながるようになる。また、緩和ケアの拡大、アドバンスケアプランニングの方法論への発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、昨年度に引き続き、文献検討を実施した。 エンドオブライフの軌跡・経過における慢性病者の体験と体験を引き起こすきっかけについて、文献レビューを行った。Lunney(2003)らの終末に至る軌跡の公表時期を鑑み, CINAHL,MEDLINEをデータベースに2000~2021年に公表された英語論文からスクリーニングされた31件を分析対象とした。これらの研究で採用されたアプローチは、横断的・縦断的デザインによる面接調査, 対象者は,家族や医療者も含むものがあり, 特に,患者の内的世界に対しイーミックな立場をとるものとして看護職者のデータを含むものがあった。慢性病者の体験には「多様な症状と成り行きの感覚」「病状進行と自律性喪失への恐れ」「喪失や変化に対する努力、適応」「過去の生活に対する自責」「相対的幸福感・尊厳の回復」「病と病状管理の不確実さ」「周囲からの孤立」「生きる意味の模索」「受療や介護の負担」「ケアを受けることの模索」「鋭く遠く近づく死の認識」が明らかにされていた。これらの体験を引き起こすきっかけ(Triggers)には「負担の強い症状の出現」「病状の変化(悪化と回復)」「治療の変更・限界」「生活環境の変化」「人間関係の希薄化」「満たされていない医療・ケア」「病状の認識・理解」「通底する信念・価値観」があった。これら抽出された体験は、同定しにくいエンドオブライフ期慢性疾患患者のケアの必要性を専門職が意識するために有益な視点となりえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
度重なるCOVID-19 の蔓延により、研究者の教育・管理業務増大、学会関連担当業務などへの対応に追われ、研究時間の確保が困難となった。 COVID-19への対応による臨床看護師の行動制限や業務量増大も考慮する必要があると考えた。
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今後の研究の推進方策 |
①エンドオブライフ期慢性疾患患者の特徴の整理 昨年度の文献レビューの結果等を統合し、エンドオブライフ期の慢性疾患患者の特徴を整理する。 ②看護実践指標と指針の開発 先行研究から導かれたエンドオブライフ期慢性疾患患者の生きる意味を支えるケアの指標について、臨床看護師を対象に日々の看護実践を通した検証を依頼し、インタビューを行う。
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