研究課題/領域番号 |
19K10952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
越智 幾世 京都府立医科大学, 医学部看護学科, 講師 (50803954)
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研究分担者 |
岩脇 陽子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80259431)
石川 剛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90372846)
内藤 真理子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10378010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん免疫療法を受けている患者のGOHAI / 口腔内PH / がん免疫療法 / GOHAI / G8 / 口腔ケア / がん患者 / 免疫療法 / 口腔粘膜炎 / がん化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法ニボルマブによる口腔粘膜炎の発症は1-5%未満であるが、抗がん剤や放射線治療との併用療法により、口腔粘膜炎の増加が予想される。口腔粘膜炎は、患者のQOL、治療の継続に影響するため、口腔ケアのマネジメントは極めて重要である。 そこで、がん免疫療法を受ける患者のための口腔粘膜炎に対する看護介入プログラムを開発する。 1.がん免疫療法による口腔粘膜炎の発生状況と口腔内QOL評価、セルフケア能力との関連を明らかにする。 2.口腔内洗浄液を用いる口腔ケアが化学療法の副作用である口腔粘膜炎を軽減させることができるかを検証する。 3.がん免疫療法の副作用の口腔粘膜炎に対する看護介入プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん免疫療法を受ける患者のために簡便な口腔ケアプログラムを開発する事であったが、新型コロナウイルスの蔓延にて、実施計画通りに進めることが出来なかったため、プログラム開発の前段階の調査段階でとどまっている。 2020年、大学に倫理申請を行い、6月に承認が得られたが、研究フィールドは附属病院のがん薬物療法センターと考えていたことから、研究者が立ち入ることで感染のリスクが上がることを懸念し、研究はなかなか進められなかった。そのような経過の中、感染状況を鑑みながら、観察研究として、質問紙調査、GOHAIによる口腔関連QOL評価、G8による高齢者のセルフケア能力評価、口腔ケアの実施状況の調査を行いながら、観察研究の環境に配慮しながら唾液による口腔内pH値の観察を行った。 2022年度末で61名の研究協力者の観察研究を行うことが出来たことから、目標の100名までには及ばなかったがこれまでとし、データの整理を行った。データ解析等まではできていないが、研究協力者の中で、口腔内の乾燥を自覚している者において、唾液のPHはアルカリ性に傾いている傾向があることが見えてきた。これは先行研究と相違ない結果であった。現在は、カルテからの情報収集を進めている。今後は、患者の特性と各質問紙との関連をみていき、解析をする予定である。2023年度中に解析する予定であったが、職場の人員不足にて研究環境が整えられなかったことから、研究を推進する事ができなかった。2024年度には学会発表を必ず行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力者が、がん患者という事もあり、新型コロナウイルス感染症が蔓延している状況の中、研究者が感染のリスクを上げることにもなりかねないことが危惧され、積極的に研究を進めることが出来なかった。また、特に唾液のPH測定においては、飛沫が新型コロナウイルス感染を蔓延化することの原因とも考えられており、研究手法の制約がかかり、研究方法を変更せざるを得なかった。また、唾液のPH測定は、他の患者から隔離した部屋で行う必要があり、その段取りも研究を進める上で支障の一つとなっていた。このことが、研究協力者を100名にする事ができなかった要因にもなったと考える。さらに、研究者の勤務場所の変更もあり、研究に対するエフォートを最小限に下げなければならない状況になり、実際には全く研究に着手することができない状況にもなっていた。 以上の理由にて、研究が大幅に遅れたことから、研究期間の延長の申請をさせて頂くことになった。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で、61名の観察研究のデータを収集できている。あとは診療録からの情報を収集する。得られたデータを探索的に解析する。患者の特性と各質問紙との関連、質問紙1(口腔関連QOL)は既存の国民標準値との差、各質問紙間の関連、口腔内pHと各質問紙との関連などを見ていく。そのプロセスの中から、がん免疫療法を受ける患者に対する口腔ケア支援として、マウスウォッシュの使用を組み込んだ口腔ケアプログラムの開発を目指す。患者のセルフケアを容易なものにすることで患者の負担感を軽減し、より継続できる様にすることが有害事象の予防につながると考えるため、科研の研究期間を過ぎたとしても、がん免疫療法を受ける患者へのケアを探求し続け、簡易な口腔ケアの研究は継続していきたい。 2024年度中に、学会発表や、論文としてまとめをしていく。
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