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慢性病者中心のケア・コーディネーション:事例研究法による看護実践理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K10955
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58060:臨床看護学関連
研究機関高知県立大学

研究代表者

内田 雅子  高知県立大学, 看護学部, 教授 (60326494)

研究分担者 藤村 眞紀  高知県立大学, 看護学部, 助教 (90882936)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード慢性病者 / ケア・コーディネーション / プログラム開発 / 事例研究法 / 実践理論 / アカデミック・プラクティス / 看護実践理論 / 連携・協働
研究開始時の研究の概要

慢性病は重症化すると合併症が雪だるま式に増え、医療費の高騰や後遺症によるQOL低下を招きやすい。慢性病の重症化を予防するには、地域完結型医療における保健医療福祉の広域的な連携・協働、及び慢性病者中心のケア・コーディネーションが重要課題である。こうしたプログラムを実践している地域は僅かであり、しかもプログラム情報だけでは別の特性をもつ地域への応用は容易でない。
そこで本研究は、特定地域のケア・コーディネーションの実際を事例研究法によって調査・分析・統合し、プログラム情報では明示できない看護実践現象、及び地域特性に応じた看護実践の開発方法を概念化・理論化することを目的とする。

研究実績の概要

本研究は、近年の保健医療システムの変化を踏まえ、慢性病者のセルフケアを継続的に支援するための慢性看護実践を、地域の広域的な課題解決を視野に入れた、ケア・コーディネーションとして実践理論を構築することを目的としている。本研究の構造は、①ケア・コーディネーションプログラムの開発・評価、②人材育成プログラムの開発・評価、③ケア・コーディネーションの実践理論構築、の3つを柱とし、これらを循環的に進める計画である。
5年目は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、保健医療機関も従前の活動が次第に復活してきたことから、院内ケア・コーディネーションプログラムの拡充・整備に加えて、2次医療圏の多機関・多職種連携におけるケア・コーディネーションプログラムに着手し始めた。一方、研修を受けた看護師が地域の保健医療福祉職者へ、ケア・コーディネーターの役割や階層プログラムの効果を周知する事例も増えている。
①②:慢性病者中心のケア・コーディネーションと人材育成のプログラムは、地域の広域的な課題解決を視野に、保健・福祉機関等とのケア・ネットワークづくりを進めた。広域的な多機関・多職種連携を推進するにあたり、ケア・コーディネーションの共通言語化が必要となるため、NANDA-NOC-NICを応用してハイリスク者の健康問題-介入成果-介入方法の典型的パターンを整理した。これにより、看護師がハイリスク者の問題と介入方法を多機関・多職種と共有しやすくなり、迅速に地域の保健福祉サービスをコーディネーションすることが可能になる。③:慢性病者中心のケア・コーディネーションの実践理論は、慢性病は生活習慣病へ、また慢性病者中心はパーソンセンタードへ、そしてセルフケアはセルフマネジメントへ焦点化し、かつケアシステムのロール・ツール・ルールの3要素に着目して、複数のケアシステム事例を比較検討しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の専門性を有する教員の異動や欠員等のマンパワー不足のため、校務と県の委託業務の維持にとどまった。
本研究の対象となる医療機関は異動や離職者の増加など、看護師のおかれた状況は変動が大きく、従前の活動に復帰できない事例も散見された。新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行後も、医療機関は感染対策によるマンパワー不足に度々陥り、一時的に病棟閉鎖や活動休止を余儀なくされる事例も散見された。
令和5年度もなお、新型コロナウイルス感染症のみならず他の感染症等によって医療機関の不安定さが遷延しており、ケア・コーディネーションプログラムも人材育成プログラムも順調な軌道化が妨げられた。
このため、先進地域の情報収集やプログラム評価などの調査活動をタイムリーに調整・実施することも困難であった。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、県内の医療機関におけるプログラムの開発から実装化までのプロセスや看護師のケア・コーディネーション体験に関する情報収集と分析を予定している。国内外の先進事例調査も研究者と社会状況等をふまえて可能な範囲で実施していく。ケア・コーディネーションの事例は、慢性病者と看護師の関係だけでなく、社会環境・医療環境などの文化的影響までを視野に入れた情報収集と解釈・分析が必要であるため、できるだけ学内外のスケジュールを調整し、現地調査を進めていく。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 壮年期の慢性腎不全患者における腎代替療法選択の意思決定プロセス2021

    • 著者名/発表者名
      多田桜, 松本愛穂, 初田千明, 清水美思, 山口央人, 園田由美, 内田雅子
    • 雑誌名

      高知女子大学看護学会誌

      巻: 40 ページ: 80-93

    • NAID

      40022805582

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高知県の生活習慣病重症化プロセスにおける社会的決定要因の影響2020

    • 著者名/発表者名
      田村美和, 山中福子, 園田由美, 内田雅子
    • 雑誌名

      高知女子大学看護学会誌

      巻: 46 ページ: 49-58

    • NAID

      120007188259

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 外来化学療法を受ける高齢がん患者が折り合いをつけていくプロセス2019

    • 著者名/発表者名
      篠岡初音, 山陰風里, 坊寺真梨子, 近藤早紀, 福原寛絵, 高樽由美, 内田雅子
    • 雑誌名

      高知女子大学看護学会誌

      巻: 45 ページ: 163-173

    • NAID

      120006957529

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] SDGs時代の地域医療における慢性看護実践2019

    • 著者名/発表者名
      内田雅子,古賀明美,山中福子,高樽由美,田村美和,永渕美樹,藤井純子
    • 学会等名
      第13回日本慢性看護学会学術集会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 慢性看護実践における事例研究法2019

    • 著者名/発表者名
      内田雅子,伊波早苗,山本力,東めぐみ,森田夏実,木下幸代,小長谷百絵,黒江ゆり子,本庄恵子,河口てる子
    • 学会等名
      第13回日本慢性看護学会学術集会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 事例研究法の意義と可能性2019

    • 著者名/発表者名
      内田雅子
    • 学会等名
      日本看護研究学会第24回九州・沖縄地方会学術集会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 第2章保健行動中範囲理論 病みの軌跡理論 理論編2021

    • 著者名/発表者名
      内田雅子
    • 出版者
      学研メディカル秀潤社
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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