研究課題/領域番号 |
19K10959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 群馬医療福祉大学 |
研究代表者 |
川田 智美 群馬医療福祉大学, 看護学部, 准教授 (50609633)
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研究分担者 |
石田 和子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (30586079)
佐藤 充子 群馬医療福祉大学, 看護学部, 講師 (40770136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コントロール感覚 / がん化学療法 / 患者 / 尺度開発 / 社会生活 |
研究開始時の研究の概要 |
がん化学療法患者は、告知や治療による副作用、病状悪化や再発への不安などの悩みを抱え、不確かな状況の中で、繰り返しコントロール感覚を揺るがされる体験をしている。その体験はライフイベントと関連し生じることも多く、患者は将来や人生の目標の変更を余儀なくされ、QOLの低下を招く。また、うつや適応障害に至ることも少なくない。 そこで、本研究の目的は、がん化学療法患者のコントロール感覚を測定する尺度を作成し、それを用い、がん化学療法患者が主体的に社会生活を送ることを支えるコントロール感覚獲得支援モデルを開発することである。そして、その支援の有効性を検証することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん化学療法患者のコントロール感覚を測定する尺度を作成し、それを用い、がん化学療法患者が主体的に社会生活を送ることを支えるコントロール感覚獲得支援モデルを開発することである。そして、その支援の有効性を検証することである。 この研究目的を達成するため、2019年から研究計画の第1段階である、がん化学療法を受ける患者のコントロール感覚尺度(案)の作成に向けて、尺度の構成概念、類似概念、類似尺度に関する文献検討及び尺度の信頼性・妥当性を得るための方法について、国内外の文献を用いて検討し、研究計画書の充実を図ってきた。 2021年度に、研究機関の研究計画書審査、2022年度に研究機関及び調査機関の倫理審査を受け、研究実施の承認を受けた。そのため、尺度原案作成の第1段階にあたる、がん化学療法を受ける患者へのインタビューを対象者20名に実施し、がん化学療法患者がコントロールを必要とする事象や要因とそれに対して抱く認知に関する質的データの収集を行った。 2023年度には、収集した質的データの逐語録の作成と分析を行い、尺度の質問項目を作成した。その後、尺度の内容的側面の証拠の確保と質問項目の洗練を目的として、専門家会議を実施し、尺度原案を完成させた。そして、研究の第2段階として、完成した尺度原案を用いて、WEBにてがん化学療法を受ける患者300名に1次調査を行った。さらに、尺度の安定性を確認するため、1次調査に参加した対象者のうち50名に2次調査を行った。現在は、収集したデータを整理し、統計ソフトSPSSを用いて、分析を進め、「がん化学療法患者のコントロール感覚を測定する尺度」の完成を目指している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際に研究を遂行していくにあたり、研究計画書を文献検討から大幅に見直していく必要性が生じた。特に、尺度の構成概念や信頼性と妥当性を得るための方法については、看護学分野以外の文献にも検討の範囲を広げ、研究内容と方法の充実を図るために時間を要した。 また、新型コロナウイルス感染状況により、研究対象施設との打ち合わせや調査が進められなかった状況もあり、当初の研究計画よりも大幅に予定が遅れてしまった。 現在は、第2段階の研究の調査方法をWeb調査に切り替えるなど、新型コロナウイルス感染拡大化での遅れを取り戻すべく、研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
収集したデータの分析を進め、「がん化学療法患者のコントロール感覚を測定する尺度」の完成を目指す。 さらに、尺度が完成した後、開発した尺度を用いて、がん化学療法を受ける患者のコントロール感覚の質を評価し、患者が獲得できていないコントロール感覚の特定や獲得の程度を把握し、「がん化学療法患者が主体的に社会生活を送ることを支えるコントロール感覚獲得支援モデル」の作成を検討する。
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