研究課題/領域番号 |
19K10994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2022-2023) 明治薬科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
駒田 陽子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (40451380)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 睡眠負債 / 社会的ジェットラグ / クロノタイプ / 在宅勤務 / 月経 / リプロダクティブヘルス / 睡眠 / 生体リズム / 概日リズム / ウェルビーイング / 妊娠 / 概月リズム / 満月 / social jetlag / 性周期 |
研究開始時の研究の概要 |
体内時計と女性の生殖機能との相互作用に関してこれまで多くの経験則が報告され、また動物実験の結果からは、内因的な体内時計の周期と外環境の乖離が生殖機能の低下を引き起こすことが示されているが、ヒトにおける実態とメカニズムは明らかにされていない。本研究では、日本人に広く蔓延する睡眠負債・社会的ジェットラグと、女性ホルモン分泌動態との関連、月経症状や妊孕性などリプロダクティブヘルスへの影響を明らかにすることを目的として、生物学的側面・社会学的側面を考慮に入れた一連の研究を実施する。
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研究実績の概要 |
睡眠のタイミングは概日リズムの重要な指標である。COVID-19による社会規制により、日本では通勤時間や睡眠時間が大きく変化したが、これらの変化には地域差があることが推測された。そこで本年度は、社会的時間圧力の変化による睡眠パターン、特にクロノタイプと社会的ジェットラグ(SJL)への影響が地域によって異なっていたか否かを明らかにすることを目的として検討を行った。 Global Chrono Corona Survey(GCCS, 国際新型コロナ時間調査)で収集した日本のデータを解析に利用した。郵便番号の情報から、居住地域を首都圏(n=395)と地方圏(n=334)に分類し、2群の比較を行った。また社会規制中の社会的ジェットラグ低減の関連変数を検討するため、重回帰分析を行った。 在宅勤務の割合は、社会規制前は首都圏と地方圏で有意差はなかったが(首都圏: 16% vs 地方圏: 15%)、社会規制中は首都圏の方が地方圏に比べて有意に高かった(首都圏: 69% vs 地方圏: 51%)。平日の目覚まし時計使用者の割合は、社会規制前は両地域で有意差はなかったが、社会規制中は首都圏の方が地方圏に比べて有意に低かった(p=0.018)。 社会的ジェットラグは、社会規制前は両地域で差がなかったが、社会規制中は首都圏の方が地方圏に比べて有意に大きかった。社会的ジェットラグの低減には、首都圏、在宅勤務、勤務日における目覚まし時計の非使用、クロノタイプ(社会規制中のMSFsc: 睡眠負債調整後の休日睡眠中央時刻, MSFsc)が有意に関連していた。 本研究の結果は、在宅勤務の頻度の増加や目覚まし時計の使用頻度の減少に反映されるような社会的時間圧力の緩和、社会規制中の朝型化が、社会的ジェットラグ低減と関連し、こうした傾向は首都圏で顕著であることを示唆していた。
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