研究課題/領域番号 |
19K11008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名桜大学 (2020-2022) 新潟県立看護大学 (2019) |
研究代表者 |
阿部 正子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (10360017)
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研究分担者 |
宮田 久枝 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (70249457)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 生殖補助医療 / 治療終結 / 意思決定 / アセスメントガイド / 生殖看護 / 夫婦 / 治療終結期 / 看護アセスメントガイド / 高度生殖医療 / 不妊経験 |
研究開始時の研究の概要 |
長期不妊治療患者の増加が全世界的な時代の趨勢となっている.特にわが国においては,血縁重視といった文化的な背景,公には卵子提供が認められていない点などから,諸外国に比べてその増加は急激である.特に妊娠の可能性が極めて少なくなった時期に達した夫婦は様々な葛藤を抱き,揺れ動く気持ちの中で自分たちの治療の終結時期を模索している.その時間には個人差があるが,治療終結の決断は誰にとっても容易なものではなく,最終的に夫婦が納得のいく意思決定が出来るための効果的な看護介入方法の確立は喫緊の課題である.本研究は,不妊治療の終結をめぐる夫婦の意思決定支援に有用な看護アセスメントガイドの開発を目的とする.
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研究実績の概要 |
2022年度はCOVID-19の影響が継続したため、生殖補助医療に関連する学会の学術集会にオンラインで参加し、情報収集を行った。また、不妊治療施設の看護師1名から現状と課題に関する意見聴取を行った。 まず不妊治療の保険適応による影響について、マクロの患者層(40歳以上)のシフトチェンジへの対応とともに、保険適応外や難治性不妊のカップルへの多様な対応が必要になったことが明らかとなった。例えば、卵巣機能の低い者に使っていた薬が使えず高年齢(40歳以上)にあまり効果のない薬しか使えず、採卵数が減ってしまうという現状があり、医療側にとって保険の縛りの中で、こんな方法しかないのかという葛藤と無力感が生じていた。さらに、不妊治療施設で働く看護職は、保険適応の条件にかなわない(自費診療の)患者が来院しなくなったと感じる一方、不妊治療とは何かも知らず、不妊の定義にも当てはまらないカップルの受診が多くなったと感じていた。しかし、妊娠を望む人々の思いは変わらないため看護支援も基本的に変わらないこと、看護者はそのニーズや思いを受け止め、正確な情報提供と不安な気持ちに寄り添う看護はかわらないという認識を持っていることが明らかとなった。COVID-19の影響に加え、不妊治療の保険適応は臨床現場に多大な影響を及ぼしていることが明らかとなったため、改めて実態調査を行い、生殖看護の現状をまとめ支援の方向性を見出す研究に取り組む必要があると考えている。 研究を進めるにあたっては、不妊治療施設に勤務する看護師10名程度をスノーボール式で募集し、同意のあった者に1~2回インタビューを行う予定である。インタビューをするにあたっては不妊治療の過程で生じる自尊心低下を防ぐことを含む支援内容と、外来という特殊性も踏まえながら語ってもらえるよう工夫する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アセスメントガイドの試案を作成する予定であったが十分な検討が出来ず、さらに臨床看護師への聞き取り調査について、予定していた倫理審査への申請が叶わなかった。COVID-19の影響により、研究に費やす時間の確保が困難になったことも影響している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、倫理審査後から研究協力の承諾を得られている施設の看護師を対象に半構成的面接法を用いてデータ収集を行う。データの飽和化を確認しながら、質的帰納的に分析し、看護アセスメントガイド案を作成する。本研究の結果についてもまとめ、次年度の発表に向けての準備をすると同時に、論文執筆と報告書作成を行う。
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