研究課題/領域番号 |
19K11029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
波崎 由美子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80377449)
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研究分担者 |
上澤 悦子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (10317068)
内江 希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10782683)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | AYA世代女性がん患者 / 妊孕性温存 / 意思決定支援 / がん・生殖 / パートナーシップ / 妊孕性意思決定 / がん・生殖医療 / 看護支援 / パートナーシップ看護支援モデル / AYA世代 / 女性がん患者 / 看護支援モデル |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療開始前の妊孕性温存に関する情報提供と相談は、がん患者のQOLを改善する。そのためには患者とがん領域と生殖領域の医師や看護師の的確かつ迅速なパートナーシップによる意思決定支援が必要となる。しかし、わが国のがん・生殖医療地域連携ネットワークが成立しているのは16都道府県に留まり、看護支援方法は確立されていない。 そこで、がん領域と生殖領域看護師、各領域看護師と患者がパートナーシップをとることにより意思決定を支援する看護モデルを創生する。
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研究実績の概要 |
これまでに若年性乳がん女性の意思決定支援に関する文献レビューを実施し、総説として論文投稿したが、現在は、子宮頸部がんに関する国内外の文献をレビューしている。キーワードは、「子宮頸部腫瘍」「意思決定」「共有意思決定」「意思決定プロセス」「意思決定支援」「妊孕性温存」とした。国内文献については、医中誌および学会収載誌、最新看護索引Webを使用して論文を抽出した。国内では原著論文はまだ少なく数件であった。海外文献については、CINHL WITH FULL TEXTおよび PubMed を使用した。キーワードは「cervical cancer」「fertility」または「infertility」、「reproductive」または「fertile」、「decision making」または「decision-making」「decision making process」「decision-making process」とした。現在、24件の論文を抽出し、精査しているところである。海外においても先行研究は少ない状況であった。子宮頸部腫瘍に関する妊孕性温存意思決定支援に関しては2件しかヒットせず、抽出した論文を精査し、レビュー文献などからも関連する論文がないか確認する作業も実施した。子宮頸部がん女性の妊孕性温存に関する意思決定プロセスを、若年性乳がん女性の先行研究結果と比較し、子宮頸部腫瘍の場合の妊孕性に関する情報提供の時期やタイミングを含めて明らかにし、特徴と支援について総説として検討する。その成果は、令和6年2月の学会で発表予定である。また、同時進行で、妊孕性温存意思決定支援看護モデル案の素案を研究分担者と検討中である。若年性乳がんに関しては、ほぼ出来上がりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
AYA世代女性がん患者の妊孕性温存に関して、若年乳がん患者の支援を中心にがん領域と生殖領域の看護師たちが何をどのように情報提供し、意思決定を支援しているのか、患者を中心とした医療者間の連携の実践状況と課題について、参加観察とインタビューにより支援状況を明らかにしようと考えていたが、新型コロナウイルス感染の状況からデータ収集ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
AYA世代女性がん患者のうち、子宮頸部がん患者の妊孕性温存ニーズ、意思決定および意思決定支援に関する国内外の文献レビューを実施し、それを基に、妊孕性温存意思決定支援看護モデル案を完成させる。そして、がん領域と生殖領域の看護師にヒアリングを行いモデル案を修正する。 次に、AYA世代女性がん患者の妊孕性温存に関して、がん領域と生殖領域の看護師たちが若年乳がんおよび子宮がん患者に、何をどのように情報提供し、意思決定を支援しているのか、患者を中心とした医療者間の連携、実践状況と課題を明らかにし、パートナーシップ看護支援モデルを検討・修正する。 がん領域および生殖領域の認定または専門看護師で、実際に妊孕性温存に関する意思決定支援に携わっている看護師各10名を対象として、参加観察により妊孕性意思決定に関する情報提供とその選択肢から何らかの意思決定をするまでの実際の場面を両方の領域で観察する。看護師がどのように情報提供にかかわり、意思決定を支援しているのか、また、 看護師とAYA世代女性がん患者とのかかわり、医師や多職種と患者家族を含めたかかわりの場面を観察し、その中で見聞きした場面を会話の糸口としてインタビューガイドを用いて60分程度の個別面接を行なう。看護師の支援は、AYA世代女性患者やほかの医療者との相互作用により思いや考えのもと行動や言動が生じることから、グランデッド・セオリー・アプローチに準じて質的機能的分析を行う予定としている。現在、倫理審査用書類を準備中である。 これらの結果をもとにモデル案を創成し、看護師とAYA世代女性がん患者より意見をもらい、洗練させ、検証に向けて準備する。参加観察ができない場合、インタビューにより、看護師とAYA世代がん患者、医師等の支援の実際の構造を見出し、検証に向けてモデルを作成する。
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