研究課題/領域番号 |
19K11054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 川崎市立看護大学 (2022-2023) 川崎市立看護短期大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
五味 麻美 川崎市立看護大学, 看護学部, 講師 (70510246)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 文化的に適切な助産ケア / Culturally appropriate / 在日外国人 / 文化 / 助産ケア / ケアニーズ / ムスリム / 文化に適合したケア / culturally appropriate / ニーズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、在日外国人女性に対する文化に適合した助産ケア(culturally appropriate maternity care:以下CAMC)の概念を明らかにし、在日外国人女性に対するCAMCモデルを構築することである。WHOは助産ケアの質の向上に向けてCAMCを推奨する勧告を行っている(WHO,2015)。しかし、国内においてCAMCに関する先行研究はなく、急増する在日外国人に対する助産ケア実践は長く手探りの状況にある。本研究は本邦におけるCAMC研究の先駆けとなることより、在日外国人に対する助産ケアの質の向上および外国人女性の出産満足度の向上につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は日本で妊娠・出産する外国人女性に対するCulturally Appropriate Maternity Care(文化的に適切な助産ケア:以下、CAMC)モデルを構築することである。 2019年度は Systematic Review、概念分析、助産師および在日外国人を対象とした半構造化面接などの予備研究を実施した。2020-2021年度には、予備研究の結果に基づき対象者をムスリム女性に定めて研究を進め『在日ムスリム女性に対するCAMCモデル』を構築した。研究方法はシンボリック相互作用論を理論的前提に置いた修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下、M-GTA)による質的記述的研究であった。2022-23年度においては、『在日ムスリム女性に対するCAMCモデル』の洗練化を図るとともに、学会発表や論文投稿などにより研究成果の公表を進めた。また、研究の成果をもとに医療従事者や外国人子育て支援関係者を対象として在日ムスリム妊産婦に対するCAMCに関する研修を実施した。 2024年度は、延期となっていた国外フィールドワークを実施するとともに本ケアモデルの実践活用に向けた検討を引き続き進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画に則り、研究成果の学会発表と論文発表を行うことができた。また、研究成果をもとに医療従事者や在住外国人に対する子育て支援関係者を対象とした研修を実施することもできた。2020-2023年度に予定していた国外フィールドワークについては社会情勢により今年度も実施できなかったが、研究成果の公表については計画的に進めることができたことから、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は2023年度までの予定であったが、国外でのフィールドワークについては社会情勢により実施することができなかった。そのため、研究期間を延長した。2024年度は国外フィールドワークを実施するとともに研究成果の公表および本ケアモデルの実践活用に向けた検討を引き続き進める予定である。 本研究は、本邦初のCulturally Appropriate Care (文化的に適切なケア:CAC)に関する研究である。CACは、多様化する対象者の中でも特に、マイノリティに属する人々の医療格差やケア格差の改善に向けて提唱されているケアであり、多文化共生が進む我が国においても諸外国と同様にCACに関する研究のニーズは高いと思われる。そのため、今後も長期的な視点で様々な国や地域出身の在日外国人女性を対象とした具体理論レベルの研究を続け、在日外国人女性に対する領域密着型理論に発展させていきたい。 なお、研究課題名ではCulturally Appropriate Maternity Careを「文化に適合した助産ケア」と表記しているが、検討の結果 2020年度よりCulturally Appropriate Care/Culturally Appropriate Maternity Careの日本語表記を「文化的に適切なケア/文化的に適切な助産ケア」に変更した。2024年度も研究課題名以外では本表記を用いる予定である。
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