研究課題/領域番号 |
19K11075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕子 杏林大学, 保健学部, 教授 (80265769)
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研究分担者 |
高橋 眞理 (高橋 真理) 学校法人文京学院 文京学院大学, 看護学研究科, 特任教授 (20216758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 父親 / 周産期メンタルヘルス / 教材開発 / 出産前教育 / ペアレンティングプログラム / ペアレンティングプグラム / 産後うつ予防 / 産後うつ / 一時予防 / 乳児の泣き / 夫婦のコミュニケーション / 介入研究 / Web教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年社会問題となっている父親の産後うつというメンタルヘルスの問題に対して、そのリスク因子である児の泣きやぐずり、なだめ方や寝かしつけに関する知識とスキルを出産前から提供し、産後うつ予防に向けたペアレンティングプログラムを開発し、その効果を検証することである。特にこれまであまり取り組まれてこなかった父親のニーズに対応したペアレンティングプログラムを開発し、オンライン教育とFace to Faceの対面式クラスの双方から介入する。父親のメンタルヘルスへの効果が示されれば、わが国のペアレンティング教育に父親を含むという新たな可能性と産後うつ予防への支援に貢献が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は初めて父親になる男性を対象とし、親役割への適応を促し育児期早期のメンタルヘルス問題を予防することを目的に、子どもの出生前からのペアレンティングプログラムを開発し、その効果を検証することである。 プログラムの開発には、学習の効果・効率・魅力の向上を図るインストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)の教材開発プロセスが有用とされていることから、2020年度以降、IDの第1段階であるニーズ分析に必要なインタビュー調査を行い、2022年度には10名の父親の学習ニーズの分析と、厚労省のイクメンプロジェクトが開始した2010年以降から2022年の出産前から産後1年までの父親への支援についての文献検討を行った。 2023年度はそれらの結果を踏まえ、教材開発を行った。その結果、Part1【赤ちゃん編】として①赤ちゃんの睡眠、なぜまとめて寝てくれないの?②赤ちゃんが泣きやまないにはワケがある③赤ちゃんの睡眠、なぜ昼夜逆転するの?④赤ちゃんの夜型かと生活リズムの関係、⑤赤ちゃんがぐっすり眠るための寝かしつけ、Part2【パパ編】として①産後に起こるパートナーの体の変化~母乳の話~②誰にでも起こる産後のメンタルヘルスの不調③産後から始まるパートナーとの新しい関係④育児はパートナーとのチームワーク⑤父親として育児を楽しむ、の10セッションをWeb教材を作成した。また、教材には育児場面の描写をしたイラスト及び4コマ漫画、赤ちゃんのなだめ方の動画(5分程度)を作成し、採用した。完成した教材の形成的評価を、出産前および出産後の父親を対象に行うために倫理審査を受け承認されたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は教材の形成的評価ならびに完成した教材を用いて、初めて子どもを持つ父親への子どもの出生前からのペアレンティングプログラムによる介入の効果を検証することであった。教材にイラストと4コマ漫画を採用し、外部に依頼したことで教材作成に時間を要したこと、形成的評価のための倫理審査に時間を要したことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、完成した教材を用い、子どもの出生前の父親10名程度、出生後半年~1年以内の父親10名程度に対し教材の受講を促し、教材の形成的評価を行っていく。形成的評価はWeb 上に構築した教育サイトにて自己学習を促し、教材受講後に学習の動機づけを問うARCS評価シート(鈴木,1998)により、注意、関連性、自信、満足感の学習モチベーション4側面をリッカートスケールで測定するとともに、教材の構成、操作性、わかりやすさ等は自由記述により求める。その後、形成的評価に基づくプログラムの再設計を行い、最終的に対照群を持つ前後比較試験を行い、産後うつ、不安、夫婦関係への効果を検証する。なお、評価方法はインターネット調査を行う予定である。
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