研究課題/領域番号 |
19K11078
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 帝京科学大学 (2023) 日本赤十字豊田看護大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
長田 知恵子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (30458393)
|
研究分担者 |
野口 眞弓 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40241202)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
|
キーワード | 母乳育児支援 / 乳房モデル / 教材 / 搾乳 / 教材開発 / 母乳育児 / 助産師 / モデル開発 / モデル機器 |
研究開始時の研究の概要 |
母乳育児を専門的に支援する看護者にとり必須技術である乳管閉塞部位に対する搾乳が適切に習得できる搾乳モデルを開発する。方法としては、これまでに開発した初学者用搾乳モデルを基盤とし、好発する乳管閉塞部位を調査に基づき特定、さらに母乳育児支援のベテラン看護者らにインタビューを行い、乳汁うっ滞の形状特性結果をふまえ、試作モデルを作製する。試作モデルの検証と改善を繰り返し、臨床で役立つ搾乳モデルを開発する。
|
研究実績の概要 |
母乳で子どもを育てることは、母親にとっても乳がんや卵巣がんなどの発症を減少させたり、子どもにとって感染性疾患の発症頻度を減少させるなど、母子にとって多くの恩恵があることが知られている。しかし、母乳育児中には、母乳分泌不足だけでなく、乳管閉塞や乳腺炎、乳腺膿瘍等、トラブルが生じることもある。そのため、産後、母乳育児をする母子に関わる支援者にとって知識でだけでなく、その対応ができる的確な技術が必要である。しかし、その技術習得に対する教育的なプログラムはなく、経験や口伝に頼らざるを得ないことから、なかなか技術の伝承が困難な状況である。 そこで本研究では、母乳育児を専門的に支援する看護者によって必須技術である乳管閉塞部位に対する搾乳が適切に習得できる搾乳モデルを開発することを目的として調査を重ねてきた。これまでの調査では、より実践に向けてた技術が習得できるように、乳汁うっ滞の好発部位を特定することができた。さらに今は、自己研鑽できるような搾乳モデルを開発するとともに模擬乳の排出状況から自己研鑽の際に習熟度が自己認識できるような工夫を試みて、搾乳モデルおよび模擬乳の改良を進めている。 具体的には、2023年度は、搾乳モデルの試作品を作製し、模擬乳の排出状況を考慮して乳汁タンクの位置や個数を変更し、より実践に即したモデルになるように改良した。その結果、搾乳モデルとしてはほぼ完成に至った。ただし、主に2つの課題が残った。①複数の協力者のデータでないため、汎用性としての結果ではないこと、②模擬乳の排出データの安定性が得られていないことである。したがって、2024年度はこれらの課題を解消するために、搾乳モデルおよび模擬乳のさらなる改良と微調整、ならびに複数の協力者によるデータの裏付けをしていきたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、これまでの研究結果をふまえて搾乳モデルの試作品を作製し、改良を重ね、完成させる予定であった。しかし、現在、研究の進捗状況は、搾乳モデルの試作品を作製し、模擬乳の排出状態を考慮して改良している過程であり、予定としてはやや遅れ気味である。 遅れた理由は、①搾乳モデルから排出させる模擬乳の改良に予定より時間を要してしまったこと、②これまでご協力をいただいていた専門業者のご協力を得ることが難しくなったことである。①については、試作段階である搾乳モデル内のタンクの数が多すぎたため、1つのタンクの容量が少なく模擬乳の排出が難しくなってしまったと考えられたことから、タンクの数や位置に着目して改良を試みている。②に関しては、専門業者の変更をせざるを得ない状況となり、複数の業者に問い合わせたことにより、時間を要する結果となってしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究の進捗状況はやや遅れているが、搾乳モデルは既にほぼ完成しており、今後は模擬乳の排出状況に関するデータを再調査する段階まできている。さらにその調査をする際として、既に母乳育児専門の助産師らより協力を得ていることから、研究工程は予定通りに実施していけると考える。またこれまでの専門業者に搾乳モデルの改良を依頼することができなくなったことに関しては、現在手元にあるほぼ完成した搾乳モデルに対して、それを引き継ぐ形で、搾乳モデルや模擬乳の改良相談、依頼ができる別の専門業者をご紹介いただくことができたため、研究の最終目的である搾乳モデルおよび模擬乳の作製ができると思われる。 また今年度は、母乳育児を専門としている助産師の人数を複数人にし、より汎用性のある搾乳モデルおよび模擬乳に近づけるような改良をしていきたいと考えている。
|