研究課題/領域番号 |
19K11085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
水野 昌美 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80806787)
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研究分担者 |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
山本 直子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10594864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 3歳児健診 / 簡易屈折スクリーニング機器 / 就学時健診 / 健診精度評価 / SVCスクリーニング検査 |
研究開始時の研究の概要 |
簡易屈折スクリーニング機器が米国で開発され、日本でも利用されている地域があるが、日本人での判定基準値が存在しない。約30%程度スクリーニング陽性となる米国の判定基準値の利用は、離島へき地など近くに眼科医がいない地域では移動の負担等を考えると導入は難しい。そこで、3歳児健診において、眼科医のいる都市部で機器の測定結果と異常値の治療経過を調査することで、日本人の判定基準値を作成する。その結果を活用することで、眼科医までのアクセスが悪い離島へき地を含むどこでも実現可能な眼科健診体制構築に繋げる。
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研究実績の概要 |
種子島の3歳児健診の受診者を対象とした。現地の保健師に協力を依頼し、Spot Vision Screener(簡易屈折スクリーニング機器:以下SVS)による簡易屈折スクリーニング検査を実施し、屈折率の検査結果を収集する。その結果を日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会から出されているスクリーニング基準案を利用して、異常値がみられた場合の眼科医の診察結果と照合し、「陽性的中度・感度特異度」を算出し、「3歳児健診の屈折率標準値」を作成することが目的である。研究協力の得られた種子島の3自治体に説明文書等の必要書類を送付し、3歳児健診受診者で同意の得られた児のSVS検査結果データを収集する準備が整った時期に、新型コロナウイルス流行の影響で健診が集団から個別に対応するなど健診体制の変更があり、1年間調査を実施できなかった。その後、新型コロナウイルス流行下での健診体制が確立したため、令和3年より、調査を開始することができた。令和4年度は、3自治体より138人のデータが収集できた。スクリーニングで異常値が出た5名が眼科での精密検査の対象となり、得られた3名分の結果から、うち1人が治療を開始できている。昨年以降、あらたに187名のデータを収集し、精密検査の対象となったうちの4名が遠視・乱視で経過観察となり、さらに4名が屈 折性弱視・不同視弱視で治療を開始できている。3歳児のため、自宅での保護者による眼科検査が効果的に出来ていないことも多いため、スクリーニング検査が異常の早期発見・早期治療に繋がっていることがわかる。また、1年間の延長申請をし、今年 が最終年度であるため、健診でのSVSの検査結果と異常値が見られた場合の眼科での精密検査結果のデータを入力、整理しながら解析を進めまとめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度、研究地域を都市部から離島へ変更し、自治体・医師等への協力依頼の同意を得るのに時間がかかったため、調査の開始時期が遅れてしまった。また、実施直前に 新型コロナウイルスの流行により健診が集団から個別対応になり、SVS機器をを使用した検査が実施できなくなったため、1年遅れの令和3年度から調査を開始することとなった。令和3年度以降はデータを収集でき研究は進行できたが、2年近く遅れていた。また、倫理で承認されていた有効期限の変更等に時間を要し、データ収集の数が伸び悩み、延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
種子島3自治体での3歳児健診受診者に実施したSVS機器による屈折率のデータと、スクリーニング検査陽性者の眼科精密受診結果のデータを収集しながら、整理、分析しているところである。日本弱視斜 視学会・日本小児眼科学会から出されているスクリーニング基準案を利用した異常値の際の眼科医の診察結果を収集し、判定基準を評価する。自宅での簡易視力検査ができない子どもも多く、SVS機器による検査が有用であることを証明し、最終年度のため、3歳児健診時の屈折率標準値の作成を試みる。
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