研究課題/領域番号 |
19K11097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
亀崎 路子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50413026)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 子どもの健康課題 / 養護教諭 / 困難感 / 関係職種 / 協働 / コーディネート / 実践モデル / アクションリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
複雑化する子どもの健康問題に応じるため、多様な関係職種との協働は必須である。学校保健の中核を担う養護教諭には、子ども支援のための協働をコーディネートする役割が求められ、その方法を具体的に明らかにする必要がある。研究者は、アクションリサーチにより、養護教諭が地域との連携が必要な子どもの課題に気づき、教職員と問題意識を共有し、合意のもとに地域ネットワークづくりを推進し、関係する人々とつながり、協働での多面的な支援を実現し、子どもの成長に還元する方法を明らかにしてきた。学校と医療、保健、福祉、教育機関の関係職種との子ども支援の協働を効果的に促進するための方法を調べ、養護教諭の実践モデルを策定する。
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研究実績の概要 |
本研究の最終目標は、多様な関係職種との協働が必要な子どもの健康課題に気づき、現場の状況や養護教諭の困難感を踏まえつつ、子ども支援のための学校内外の関係職種との協働を効果的にコーディネートする養護教諭の実践モデルを策定することである。2020年より、研究を遂行する上で、新型コロナウイルス感染症の蔓延等緊急事態が続く状況等が続いたことから、当初計画していた学校現場の協力を得てアクションリサーチを行うことは困難であることが予想されたため、研究方法の変更を行った。研究1として、国内の教育、医療、保健、福祉を含む多領域における協働の効果的なコーディネートの実践に関する文献を収集し文献レビューを行った。「関係職種との協働の効果的なコーディネート」に関する実践方法の知見を抽出し、養護教諭のコーディネートへの示唆を得た。この成果は、日本学校健康相談学会会誌に投稿し研究論文として掲載された。次に、研究2として、複雑な子どもの健康課題に対して、多様な関係職種との協働での支援を展開し、効果をあげている熟練養護教諭の実践事例調査が進行していたが、所属大学の倫理審査委員会に研究計画の修正を申請し承認を得て、研究方法を質的記述的分析に変更し、その分析を終えた。研究者の先行研究(熟練者の事例研究や困難感を持つ養護教諭とのアクションリサーチ)における知見と、研究1の文献レビューの知見をもとに、子ども支援の協働に対する養護教諭のコーディネートの概念枠組みを整理し、養護教諭の実践モデルの原案を作成した。データの真実性、分析の妥当性を確保するため、調査協力者(国内の公立小学校3名、中学校2名、高等学校1名の養護教諭)によるメンバーチェッキング、研究協力者によるスーパーバイズを実施し、実践モデル案を作成し、学会発表を通じて意見収集を行い、さらに、実践モデルの洗練を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度1月より発生した新型コロナウイルス感染症の蔓延が続き、国全体が緊急事態の状況となり、国の方針として外出や移動の自粛、三密を避ける新しい生活様式が求められたことなど、緊急事態の状況の中で、研究の遂行よりも、安全面を優先することが必要である状況が続いた。また、研究者自身が、予期せぬ病気療養および通院をする必要が生じたことから、予定していた分析および文献レビューに時間を要していたが、現場に入って対話を積み重ねる方法をとるアクションリサーチの手法は、学校現場の受け入れが困難と予想されることから、研究方法の修正を行い、所属施設の倫理審査委員会に再度申請を行い、研究計画の変更および研究の継続の承認が得られた。その後、順調に研究を進め、学会発表などを通じて、成果に対する意見交換を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
分析を終えた実践事例調査の結果と、多領域における関係職種との協働の効果的なコーディネートの実践に関する文献レビューの知見を照合し、研究者の先行研究を踏まえて実践モデルの原案を作成し、先の調査において事例提供をした研究協力者のメンバーチェッキングと、養護教諭を経験し養護学の研究者である研究協力者のスーパーバイズの検討を進め、さらには学会発表において得られた意見を参考に、実践モデル案を洗練し、実践モデルの仮説を策定して報告書などを通じて公表する。
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