研究課題/領域番号 |
19K11107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 山陽学園大学 (2023) 西九州大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
森本 眞寿代 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (70826578)
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研究分担者 |
永松 美雪 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30550769)
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
高守 史子 佐賀大学, 医学部, 特任助教 (20833528)
濱嵜 真由美 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (90352335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 退院後早期 / 育児不安 / 尺度開発 / 信頼性 / 妥当性 / 母親 / 測定 / 尺度 / 開発 / 育児ストレス / 退院時 |
研究開始時の研究の概要 |
産後2週間目は出産後の母親の育児不安のピークであり、産後1か月の時点でも依然として高い。母親の不安が増大する前の支援の充実が課題である。我々は今まで産後1か月の育児不安に着目して研究を行ってきたが、本研究では、上記理由より調査の視点を出産施設退院時とする。まず一般的な母親を対象とし出産施設退院時の育児不安の内容を明らかにする。それを基に調査項目の内容を選定し量的研究にて出産施設退院時の育児不安尺度の開発を行う。次に複数施設量的研究にて新規尺度の妥当性を検証する。ホームページの開設・郵送法・学会発表等で、新規育児不安尺度の活用への広報活動を行う。
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研究実績の概要 |
2021年2月から2021年12月までに収集した364部の回収データを解析し2023年6月12日に開催された第33回ICM(国際助産師連盟)トリエンナーレ大会で発表を行った。発表形式はポスターである。開催場所はBaliであり、現地およびオンデマンド形式を採用したハイブリット形式の学会に32か国余り、4000人余りの助産師が集い盛況に学術集会が開催された。本研究発表は出産施設退院後早期の育児不安を把握するための新規育児不安尺度を開発し、信頼性・妥当性を検証することを目的とする「出産施設退院後早期の育児不安尺度開発と信頼性・妥当性の検討」とした。 方法では、産後2週間健診に訪れた母親を対象に自記式質問紙調査を行った。調査項目は、過去に自身が行った概念分析と質的研究で明らかにした内容を基にして、尺度の構成概念を見出した。母親の育児の自信・心理的な変調の状態・子どもの特性・母乳不足感等の62項目の構成とした。得られたデータは統計ソフトJMP Pro 16.1.0を用い、尺度開発の手順に則って、医療統計学が専門の共同研究者と共にデータ分析を行った。 項目分析と探索的因子分析により得られた結果は、【心身の余裕のなさ】【児の育てにくさ】【母乳不足感】【児の哺乳の安定感】【育児の自信のなさ】の16項目5因子構造であり、確認的因子分析の結果では仮説モデルが確認された。信頼性はCronbach’sα=.83であり十分な信頼性が確認できた。また、基準関連妥当性ではエジンバラ産後うつ病自己評価表との関連においてr=.678と中等度の相関が確認された。これらの結果より、新規開発された育児不安尺度の信頼性と妥当性が検証された。 なお、この発表に向けて準備中に追加収集できたデータがあったため、今後その分を追加して最終的な分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
尺度開発に必要なデータ収集にあたり施設代表者の協力を得て開始したが、データ回収数が伸び悩んだ時期があった。対策として研究協力施設を追加した。そのことを理由として、該当施設のデータ回収終了が他施設より大幅に遅れた。 364部を回収しまとめた結果は第33回ICMで発表したが、最終的には373部を回収することができている。 すべての研究協力施設の質問紙回収には、ほぼ1年半の期間が費やされた結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
373部のデータで再度分析を行い、最終的に新規育児不安尺度の開発、信頼性・妥当性の検討として、論文作成を行う流れを予定している。因子分析を行い新規育児不安尺度とし、構成概念妥当性の検証を行う。さらに他の心理尺度との相関係数の算出により基準関連妥当性を検証する。また、信頼性の検証では、折半法にて両群の差の検証やI-T相関分析で相関係数を導く。さらにクロンバックα係数も導く。研究全ての過程において研究分担者、研究協力者と検討を重ねて終始共通認識のもと研究を進めているところである。なお、5年間の研究期間内に、新規尺度開発を行い、その尺度を用いて、出産施設退院後早期の母親の不安測定を行い尺度の有効性を検証するという流れを計画に織り込んでいたが、該当予定は未実行であり、本研究期間中で実行することができなかったことが限界となる。
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