研究課題/領域番号 |
19K11116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
貝谷 敏子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (00381327)
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研究分担者 |
酒井 透江 杏林大学, 保健学部, 講師 (50813557)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 高齢者 / 慢性創傷 / アルゴリズム / スキン-テア / 高齢者看護 / スキンケア |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の機能不全の一つにスキン‐テアがあげられる.臨床ではスキン‐テアの認識はまだ浸透しておらず,損傷があっても高齢者の皮膚の特徴と捉えられている場合が多い.スキン‐テアは,強い痛みが発生するといわれ高齢者のQOLを著しく低下させていると予測されるが,スキン‐テアの疼痛や治癒過程の実態は報告されていない.本研究では,スキン‐テアとケアの実態を調査し,高齢者のQOLと医療費への影響を明らかにする.また実態調査をもとにケアプロトコールを作成し,その効果を検証する.検証にはマルコフモデルを作成し,モデルシミュレーションにて費用効用分析を行い,効率性の高いスキンマネジメント体制を確立を目的とする.
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研究実績の概要 |
スキン-テア発生に伴う疼痛,QOLと医療費への影響,治療の実態を明らかにすることは,予防的スキンケア方法の確立のための一助となり,意義は大きい.本研究では,第一研究としてスキン-テア発生の現状とアウトカムを明らかにすることを目的として実態調査を実施した.多施設共同研究による前向きコホート研究である.協力施設は20施設で調査期間中にスキン-テアが発生した全患者数は205名であった.同意が得られなかった患者と1週間以内に退院した患者を除外し,包含基準を満たす96名を分析対象とした.対象患者の平均年齢は81.3(11.9)歳、発生部位は上肢が83.1%であった.STAR分類はカテゴリ2bが49.0%で最も多かった.スキン-テア発生時の疼痛はNRSで平均1.9(2.1)であった.発生時の効用値は平均0.42(0.23) で,平均治癒期間は12.0(6.2)日.医療コストは平均3,052(3,240)円であった.創面積の大きさに伴い医療コストも上昇した(p<.01).ベースラインの創面積の差を是正するため1日当たりの創面積の縮小率を求めた結果,STAR分類1bは2bと比較し縮小率が有意に高かった(p<.05).第二研究としてスキン-テアのカテゴリ分類に基づく治療のアルゴリズムの選択と治療コストの管理が可能なアプリ開発を行った.治療アルゴリズムはエキスパートの意見を基に作成した.AIによる画像認識で創傷のグレードの判定とサイズの自動計測を行うモデルを作成し評価した.モデルはYOLOv8n~X,学習回数は100回~300回で評価した.感度は80~90%と比較的安定した検出結果であった.本モデルを用いて画像からスキン-テアのカテゴリを分類し,面積を算出するツールを作成した.ツールは、ブラウザ上で動作する仕様である.今後はアルゴリズムの基づいた治療管理と費用の管理の機能までを連携し,臨床で使用しやすい形態にすることを目標としていく予定である.
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