研究課題/領域番号 |
19K11130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
海原 律子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (50757440)
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研究分担者 |
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
倉石 哲也 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (20234528)
森田 理江 関西医科大学, 看護学部, 講師 (70828095)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢者 / 社会的孤立 / 孤独 / 対象者理解 / 自律性の尊重 / 当事者理解 / 支援拒否 |
研究開始時の研究の概要 |
地域包括ケアシステムの構築を基盤に、地域では多様なかたちで支援策が創出されている。しかし、その多くはシステムにつながった人への方策であり、システムにつながりにくい高齢者への方略は十分とは言い難い。 本研究では、近隣との交流が少なく、社会から孤立している高齢者、いわゆる「社会的孤立」の状況にある高齢者に焦点をあて、本人と対峙するなかで、その語りから「当事者理解」を深め、支援の方略を探索する。「社会的孤立」が高齢期の生き方の一つとして位置づけられることの可能性を模索し、彼らの自律性を尊重する支援を検討する。
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研究実績の概要 |
社会的孤立に関する文献精読を行った。孤立と健康関連指標との関連では、孤立による健康へのリスクが高いことが示されていた。考察については、いずれの文献も一貫して孤立予防や居場所づくりの方略が提案されていた。社会的孤立の意味や価値についての文献は少なく、そのほとんどが量的研究であり、論理的な整合を示した分析がほとんどであった。 野口(2005)は「現実に接近していく方法」としてナラティブを定義し、何らかの研究を定義したり、何らかの対象に働きかける実践をする際にナラティブという形式が手掛かりになることを報告している。 本研究では社会的孤立という現象を定義すること、更には連続性のある人生経験の全体像から経験を意味づけることをねらいとする観点を踏まえて、ナラティブの活用を試みる。なお個々のナラティブは何らかの本質を示すデータとして扱い、本人自身にとっての意味づけへと見方を移し替え、遡及的な考察を試みることを計画し実施している。 また、社会的孤立の当事者のナラティブを補足する情報として、取り巻く人々から倫理的配慮を踏まえたうえでその情報を収集している。加えて、外から見たのではわかりにくい現象の詳細に立ち入り、地域の文化を踏まえた当事者理解を重視することから、エスノグラィーの手法も試みることを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特定の「とき」と「ところ」における、特定の個人のストーリーを追いかける計画を検討しているが、新型コロナウィルス感染症の影響で対象者の選定が難攻している。 加えて、対面を基本とし、人間関係を尊重するそのプロセスについても、当初の計画が履行できず、改たに模索している状況である。 オンライン等を試みることを計画したが、オンライン操作をすること自体に戸惑いの多い高齢者に対し、その依頼を出すことすら気後れする状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
過年に収集した孤立高齢者のアンケート調査の結果を振り返り、精度を高めたデータの再読み込みを実施し、目的変数にバリエーションを加えながら、改めて考察していくことを検討している。 また、その結果を踏まえてインタビューガイドを作成する。作成したインタビューガイドを用いつつ個人のストーリーを追いかけながら対面でのインタビューを実施する。インタビューについては予定していた人数とは若干の差はでるが、対面を重視して実施していく見通しである。
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