研究課題/領域番号 |
19K11133
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 聖カタリナ大学 |
研究代表者 |
永易 裕子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 准教授 (00442012)
|
研究分担者 |
白柿 綾 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 准教授 (00331760)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 災害看護 / 自然災害 / 看護学生 / 防災意識 / 防災行動 / 防災教育 / 他人事・自分事 / アクティブラーニング / リフレクション / 大学生 / 防災活動 / 地方大学 / 活動理論 / ノットワーキング / 形成的介入研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域の防災力向上をめざして、地方大学の学生と教職員が一学習体として活動することから出発する形成的介入研究である。具体的には、学習活動のなかで生じた課題を解決するために必要な人々(地域住民、地域の防災リーダー、自治会長、防災士、市長など)と出会い、学習する。そのプロセスで、大学は地域のニーズに合った防災自助力を高めるとともに、一度結んだ人々との関係性を切らすことなく継続することによって有事の共助力強化を図る。この一連の活動を、エンゲストロームの文化・歴史的活動理論(以下、活動理論という)を援用して実践し、地域防災力向上をめざした大学教育プログラムの構築を図る。
|
研究実績の概要 |
防災意識が低いとされる大学生に対して有効な防災教育方法を探ることを目的に、医学中央雑誌WebとCiNiiを用いて厳選した62件の論文を用いて文献検討を行った。結果、「防災に関する講義を受ける」という受動的な取り組みでは、新たな知識を得て関連学習への動機づけになり防災意識の向上がみられたが、効果は一時的であった。一方「学生たちが他者へ防災教育する」といった能動的な取り組みや、自ら歩いてハザードマップを作ったり、防災キャンプを行ったりという体験学習は、学生自身が思考しながら実施することで当事者意識を芽生えさせることに成功しており、その効果が比較的持続していた。さらに、大学生にとって“楽しい”取り組みが、継続の一要因であると考えられた。 次に、一般の大学生より防災意識が乏しいとされている看護学生の防災教育の実態を探るために、厳選した19の論文を用いて文献検討を行ったところ、教育方法には「防災訓練」「講義・演習」「被災地訪問」「学生による防災に関する資料作成」の4種類があった。なかでも、居住地域を視野に入れた防災を学生自らが考えられるような仕掛けが必要であること、「学生の主体性」が重要であること、学生の感情を動かす疑似体験やリフレクションを活用した取り組みが効果的であることが示唆された。 一般の大学生と看護学生を対象とした2つの研究結果を併せて、防災教育プログラムには、①学生自身が主体的に思考できるもの、②学生の感情を動かすもの、③居住地域が視野に含まれたもの、④“楽しい”取り組み、これら要素を含んだ防災教育プログラムが、当事者意識を萌芽・持続することに繋がると示唆された。 さらに2023年1月、エンゲストロームの活動理論の日本における第一人者である山住勝広先生との対談で、「拡張的学習のサイクル」を我々が創造過程にある防災教育プログラムの概念基盤に据えることが有用であると認識した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行によって、学生が大勢集まり、対面で意見を交わすことを避ける必要があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
①居住地域を視野に入れたもの、②学生自ら感じ考えながられるもの、③その取り組みを継続すること、これら①②③の要素を含み、エンゲストロームの「拡張的学習のサイクル」を概念基盤に据えた防災教育プログラムを作成する。
|