研究課題/領域番号 |
19K11137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 排尿自立支援 / 包括的排尿ケア / 下部尿路症状 / スクリーニング / 高齢者 / 地域 / 急性期病院 |
研究開始時の研究の概要 |
排泄介助が必要な高齢者は、急性期の不必要なおむつ使用や尿道カテーテルの長期留置により、施設や在宅療養へと移行してきた。75歳以上人口が急増する中、高齢者の排尿自立を支援するには、下部尿路症状を早期発見して、看護師等による排尿誘導や生活指導、理学/作業療法士等による排尿動作訓練、医師による薬物療法等を組み合わせた包括的な排尿ケアを連携・継続できるシステム構築が必要と考えた。 そこで本研究の目的は、①高齢患者の下部尿路症状スクリーニング方法を確立し、②包括的排尿ケアを連携して継続できる地域の包括的な排尿自立支援・サービス提供体制(地域包括的排尿自立支援システム)を構築することである。
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研究成果の概要 |
入院時に下部尿路症状が分かれば尿路感染症を回避でき、地域でコンチネンスケアを継続できれば高齢者の排尿自立につながる。本研究の目的は、下部尿路症状のスクリーニング方法を確立し、急性期以降もコンチネンスケアが継続できるシステムを構築する。急性期病院の高齢患者614名を対象に、看護師による残尿測定と主要下部尿路症状質問票を用いたアセスメントを実施した。その結果、100mL以上の残尿を1回以上認めた高齢患者の割合は17.4%、2回以上は8.1%で、年齢、残尿感、脳神経/循環器系疾患が尿排出障害に関連した。地域の有識者と共有し、専門職の養成や相談窓口の設置など、地域包括的排尿自立支援システムを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
排尿自立に関する研究は、人としての尊厳や羞恥心に関わり、生活習慣や価値観などへの配慮が必要で、慎重に行う必要があり、国内外でエビデンスの蓄積が十分ではない。本研究では、入院をきっかけに高齢患者の下部尿路症状をスクリーニングできる方法を確立し、加えて、地域のコンチネンスケアに関わる有識者と協働して、地域包括的排尿自立支援システムを構築することができた。病院においては、高齢患者の下部尿路症状を早期発見して、必要な場合には、迅速に専門的な治療やケアにつなげることができる。また、急性期以降もコンチネンスケアが必要となる場合、地域で継続できるシステムがあることで、高齢者の排尿自立できる可能性が高まる。
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