研究課題/領域番号 |
19K11147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
長畑 多代 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60285327)
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研究分担者 |
笹谷 真由美 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (50435327)
松田 千登勢 摂南大学, 看護学部, 教授 (70285328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 認知症ケア / 感情労働 / バーンアウト予防 / 看護職 / 介護職 / 否定的感情 / リアリティショック / サポートプログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高齢者施設の認知症ケアに関わる感情労働の実態に即した「専門職のバーンアウト予防に焦点をあてたサポートプログラム」を開発し、質の高いケア実践につながる専門職のエンパワメントを目指している。自身では気づきにくく抑圧しがちなケア対象である認知症高齢者へのネガティブな感情やケアの不全感は、バーンアウトの予兆であると同時にケアの質に多大な影響を及ぼすため、認知症ケアにおける感情労働の実態に即した包括的なサポートプログラムを構築し、その適用可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
高齢者施設において認知症を有する入居者のケアに従事する看護・介護職等の専門職を対象に、バーンアウト予防に焦点を当てたサポートプログラムを開発し、質の高い専門的ケア実践につなげることを目的とした。今年度は、認知症を有する入居者へのケアやケア場面において生じる否定的感情についてのインタビューデータを再分析し、バーンアウトへと繋がることが推測される要因やサポートニーズを抽出した。 認知症を有する入居者へのケアおよびケア場面で生じる否定的感情として《言動に怒りや嫌悪感を覚える》《対応に時間がかかることに苛立ちを覚える》《苛立った対応をしてしまって自己嫌悪に陥る》《わかってもらえないことに無力感を覚える》《一生懸命やってもうまくいかず折れそうになる》《不十分な対応しかできずつらい》《認知症の人への対応がうまくできないと思われたくない》《他のスタッフのようにうまく対応できず苦手意識を抱く》《他者の対応に心を痛める》《医療が不十分であることに疑問を感じる》の10カテゴリーが導き出された。これにより【認知症を有する入居者の言動に対する嫌悪感】【認知症を有する入居者に適切なケアができないことへの無力感】【認知症を有する入居者にネガティブな感情を抱いてしまったことへの自己嫌悪】【スタッフや家族が認知症を有する入居者に向ける態度や対応へ憤りり】【苦手意識があってもできないと思われたくない虚栄心】がネガティブな感情として蓄積することによって、バーンアウトにつながる恐れがあることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症は5類移行したが、高齢者施設ではいまだ感染拡大予防への対応に追われており、新たなインタビュー調査を依頼することはかなり負担が大きい。また研究代表者、分担者とも高齢者施設への臨地実習を担当していることから、実習調整等の教育エフォートが増大せざるを得ず、研究エフォートが低下してしまった。そのためケアにおける否定的感情のインタビューデータからの再分析を行ったが、サポートニーズを十分には抽出できなかった。また上記理由により、計画していた管理職へのアンケート調査も実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者施設ケア研究会参加メンバーの施設とのアクションリサーチにより、日ごろから人材育成に苦慮している管理者のニーズも踏まえたサポートプログラムの構築を目指す。研究分担者も含めて各研究者が1施設担当し、協力して進めていくこととする。
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