研究課題/領域番号 |
19K11175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2021-2023) 国際医療福祉大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
尾立 篤子 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50736973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 災害看護 / 倫理的課題 / 避難所における支援 / 災害の公平性 / 災害時の公平性 |
研究開始時の研究の概要 |
国内外の絶え間ない災害発生に伴い、近年では倫理的観念をもった質の高い災害支援が求められるようになっており、災害看護もその一つである。災害が発生した現場は、医療資源 の不足はもとより、日常とは異なる悪条件の下、公平性や公正さの判断に戸惑う倫理的ジレンマを経験する。本研究は、災害という特殊な状況下であっても適正な看護を提供すべく、現場で発生している看護上の倫理的課題を明らかにし、その課題に対応できる能力を備えた人材育成のための教育プログラムを開発するものである。
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研究実績の概要 |
本邦において、地震や豪雨による災害は全国レベルで頻発している。2024年の元旦に発生した能登半島地震は甚大な被害を招く大規模災害となり、今もまだ避難生活とその支援が続いている。災害支援の中でも、人々の健康と生活に関わる医療支援は、条件が整わない医療環境において行われ、公平性や公正さの判断に関連した倫理的課題に直面する。これらの倫理的課題を予測できないまま現地入りすると、不十分な対応によって被災者も支援者も健康危機に陥る可能性がある。 本研究の目的は、災害という特殊な状況下にあっても、その状況に応じた適切な看護を提供すべく、現場で発生している医療・看護上支援上の倫理的課題を明らかにすることである。そして、その課題に対応できる能力を備えた人材育成のための教育プログラムを開発することである。 2019年度に国内外の文献レビューを実施、2020年度より災害支援活動の経験がある看護師へのインタビューを開始した。一時期、新型コロナウイルス感染症患者への対応を対象者が優先するため調査が滞った時期があったが、オンラインを含むインタビュー調査を行うことで再開した。 2021年度までに5件のインタビューを実施し、研究結果の全体像を概観し、2022年には9名のデータを収集した。当初の研究計画では対象者が30名としており、2023年度はさらに15名のインタビューを追加実施した。合計29名のデータ収集を終えて分析を進めているところである。 これまでのデータから導いた成果を踏まえ、災害看護師に対しワークショップを実施した。そのアンケート結果もまとめつつ、教育プログラム完成に向けての専門家による会議を今後開催予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、内諾が得られつつも研究対象者へのインタビューが延期されたり、中止になるケースが続いていた。2023年5月、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の分類が5類へ移行したことに伴い、研究データの収集が大幅に進んだ。これまでの経過を学会で報告したり、ワークショップ形式で災害看護師に教育を実施することができ、まとめの最終段階を迎えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
途中まで分析したデータと2023年度に収集したデータを統合し、分析の視点に一貫性を持たせたうえで分析を進める。2023年度に実施した教育ワークショップのアンケート結果を活用して、災害教育として必要なプログラムを構築する。 そのプログラムについて、災害看護の専門家を招聘して専門家会議を実施する。専門家の助言を受けてプログラムを修正し、再度教育を実践する。 最終案をまとめて関連学会へ報告、論文投稿する予定である。
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