研究課題/領域番号 |
19K11177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 山口県立大学 (2022-2023) 帝京大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
新居 富士美 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70333250)
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研究分担者 |
大島 操 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40369872)
糸永 喜代美 帝京大学, 福岡医療技術学部, 助教 (30908562)
山邉 素子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80333251)
大石 昌也 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (70223724)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 非侵襲的ヘモグロビン濃度測定 / 介護老人保健施設 / 栄養状態 / 貧血 / 口腔内の観察 / 高齢者 / 非侵襲的ヘモグロビン / 文献検討 / 看護研究 / 看護アセスメント / 訪問看護師 / 高齢者ケア / 臨床有用性 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の貧血は要介護リスク要因であり、フレイル状態の高齢者の早期発見が重要である。本研究は高齢者に貧血の症状を疑った時、フィジカルアセスメントツールのひとつとして携帯型医療機器を用いた非侵襲的ヘモグロビン濃度の測定が在宅や施設の高齢者ケアのどのようなケア場面に有用であるのかを検討する。介護士が多く看護師が少ない介護老人保健施設をはじめ、在宅など高齢者ケアの場は多岐にわたる。ケア提供者が観察した情報について痛みを伴わず、簡便な方法でヘモグロビン値をみえる化し、継続的に評価する。高齢者ケアに携わる誰もが高齢者の貧血に対して根拠に基づく安全なケアの提供をめざす臨床研究である。
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研究実績の概要 |
【目的】第2段階として最終分析対象者22名について、当該期間のケア記録から貧血症状に関連する項目を抽出し、同入所者のSpHb値と栄養の関連からケアの観察点を考察した。 【研究実施計画と進捗状況】 対象は同入所者22名中19名(3名は血液実測値なく除外)。SpHb値から一般的な高齢者の貧血基準値11.0g/dlで貧血群と貧血なし群に分けた。診療録類から総蛋白(以下TP)、1日の食事カロリー、食事形態等を収集し2群の平均値を比較した(有意水準<.05)。【結果】貧血群8名(女性8名、平均87歳)はTP6.5g/dl、1日の食事は1150カロリーであった。貧血なし群11名(男性1名、女性10名、平均87歳)は、TP6.8g/dl、1日の食事は1436カロリーであった。対応のないt検定の結果、TPはp 0.1281>.05で差はなく、1日の食事カロリーはp 0.0476<.05で差があった。貧血群は5名に、口内炎、ペースト食の提供、義歯の不具合、便秘、胃ろう、発熱による体調不良、活気がない、元来の貧血で低値持続とある一方、貧血なし群はレクリエーション活動の記載が主だった。高齢者は消化機能の低下や口腔・嚥下障害により低栄養状態に陥りやすい。認知症で自らの訴えが難しく個人差もある。TP以外でも食事量の減少傾向や口腔内および消化機能の変化により注意し、早期に適切な介入が重要である。【結論】老健入所者でPI値1.0以上の条件のもとSpHb値11.0下の貧血がある時、栄養状態の低下を招く口内炎や食思不振という栄養-消化に関する項目をフローシートへ取り入れて継続観察する必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学会発表を終了後(広く研究者からの意見を得て改善等を含む)を目安に検討を重ねているため。
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今後の研究の推進方策 |
第2段階の報告である2024年6月中旬の認知症ケア学会発表を終了する。その後、発表結果をもとに介護老人保健施設入所者への痛みを伴わない貧血チェックと栄養状態を継続的に観察するフローシート作成を試みて施設へ研究結果を還元予定である。
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