研究課題/領域番号 |
19K11205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 洋美 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (30382427)
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研究分担者 |
柴田 雅子 昭和大学, 保健医療学部, 専任教員 (00420919)
西村 美里 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20737217)
石原 ゆきゑ 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20787915)
谷野 純子 (高田 純子) 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20826656)
芳賀 淳子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (50788479)
石田 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60363793)
小松崎 記妃子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90644592)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | EOLケア / 高齢者 / 看取り / 看護教育プログラム / ケアパスウェイ / 在宅看取り / EOL / EOLシステム |
研究開始時の研究の概要 |
わが国は、高齢化にともなって高齢者の死亡数が増大し多死社会に突入する。2040年には死亡数は最多の170万人となるといわれる。 地域包括ケアシステムを展開することが始まったが、EOLケアの具体的方略とケア基盤の構築は、いまだ進んでいない。多くの高齢者が望むように住み慣れた場所で豊かに暮らし、豊かな暮らしの中でEOLケアを行えるような基盤をつくることが急務である。 本研究において、わが国で初の高齢者のEOLケアのためのプロセスマップを策定する。プロセスマップが有効に運用できるように看護教育プログラム行い、教育を受けた看護師がケアの中心となりEOLケアを先導できる基盤を構築したい。
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研究実績の概要 |
看護師の研究協力者に研究依頼を行った際に、思い出すことでつらくなるので研究に参加ができないという回答が複数あった。そのため、研究遂行のためには、まずは看護師の体験を明らかにすることが喫緊に取り組むべきことであると考えた。その後に看護師の心的支援を考慮しながら研究を遂行することが重要であると考えている。看取りを経験した2名の看護師に対して、どのような心理的負担を抱えているのか、それにどう対処しているのかについてインタビューを実施した。 インタビュー内容を逐語記録に起こし、逐語記録からストーリーを捉えながら、心的負担感を表している部分をデータとして抽出した。データにコード名を付与した後に研究者間で議論をしながら類型化を行った。 7つのカテゴリーが抽出された。7つは、【関心を寄せることで思いを引き出す】、【痛みや苦痛を緩和してその人らしさを引き出す】、【貴重な時間を大切に過ごす】、【最期までその人らしさに寄り添う】、【迷いやつらさがある】、【自分なりの成長・やりがい感】【スタッフと支え合いケアを高める】であった。 【迷いやつらさがある】は《最善のケアなのかと迷う》、《患者の葛藤や家族の悲しみをみるのがつらい》の2つのサブカテゴリーで構成されている。これらがありながらも、【関心を寄せることで思いを引き出す】、【痛みや苦痛を緩和してその人らしさを引き出す】、【貴重な時間を大切に過ごす】、【最期までその人らしさに寄り添う】というようなEOLケアを行っていることも分かった。ケアの実践によって【自分なりの成長・やりがい感】、【スタッフと支え合いケアを高める】と自らが意味付けを行っていることも分かった。 これらを活用して、高齢者と高齢者のケアを行っている看護師に、これまでの病状と支援の経過についてインタビューを行い、EOLケアを実践できる看護師の育成のための看護教育プログラムを策定していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初からコロナウィルスパンデミックの影響を受けて、インタビューが遅れている。さらに、看護師の研究協力者が集まらず、データの蓄積ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、看護師の看取りへの負担を考慮する必要性が明確になったため、インタビュー後のお話会などのインフォーマルな集まりも行って協力者を集めたいと考えている。高齢者の参加者は協力病院で募っており、予定通りに集まっている状況である。 1)高齢者のEOLまでの生活に関する状況と認識および看護師の看護ケアの実際(1)協力施設において、慢性疾患があり増悪を繰り返しながら地域で生活している高齢者(後期高齢者)で、今後の暮らし方に意向を示している高齢者に対して、現状の生活に関する支援の状況と今後の生活の仕方の希望および望む支援についてインタビューをする。高齢者のインタビュー後に高齢者のケアを行っている看護師に、これまでの病状と支援の経過について追加情報のヒアリングを行う。(2)高齢者のインタビューの内容に、看護師のヒアリングの情報を追加したものをデータとして扱う。高齢者ごとに体調変化および生活の状況を軌跡として描き、高齢者の思いや希望、それに対応する看護師の支援の概要をプロセスマップとして作成する。高齢者が意思決定をしている部分の局面で行われた看護ケアについては詳細な情報を追記する。 2)プロセスマップのタイプに対応する看護ケア要素の同定(1)協力施設の3病院において、施設ごとにベテランの看護師3名の協力を依頼する。3病院それぞれに、グループディスカッション形式でデルファイ法でのケア要素の抽出を行う。議論の終盤に、提示した看護ケアを看護ケアの要素として集約し同定する。(2)看護ケアの要素を活用した教育コンテンツ作成を行うために、研究分担者により、プロセスマップのタイプに対応する看護ケアの要素ごとの重要性と緊急性の位置づけを検討する。看護ケアの要素の深度と順序性を検討した後に教育プログラムとして作成をする。
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