研究課題/領域番号 |
19K11221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 (2020-2022) 三重県立看護大学 (2019) |
研究代表者 |
脇坂 浩 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80365189)
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研究分担者 |
清水 宣明 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70261831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 感染制御 / 高齢者介護施設 / 感染対策 / インフルエンザ / 排泄物取扱い |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、インフルエンザの感染伝播を迅速に判断し、効果的な感染予防と対処ができる感染制御システム(健康診断チェックシート、感染伝播動態の経過記録、予防投与の判断のためのフローシート)を高齢者介護施設において検証し、高齢者介護施設におけるインフルエンザの感染制御システムとして構築する。 高齢者介護施設におけるオムツ交換を含めた排泄物の取扱いにおいて感染制御の妨げとなっている因子を抽出し、効率的で安全な感染制御方法を見出し、動画教材を用いた感染制御の教育を構築し、看護・介護職員の教育に導入する。
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研究実績の概要 |
高齢者介護施設におけるインフルエンザの感染制御システムの構築に関する研究として、ベッドを汚染する多剤耐性菌(VRE,ESBL,KPC,AmpC)とATPに対して、パルス方式キセノンUV照射ロボットを用いた消毒効果を検証した結果、多剤耐性菌は直接照射5分で全て死滅した。しかし、透明な樹皮である柵を通したUV照射であると、VREは照射5分80.7%,10分77.7%、ESBLは照射5分20.4%,10分12.7%、KPCでは照射5分23.8%,10分42.0%、AmpCでは照射5分32.6%,10分17.0%が残存した。ATPでは直接照射5分9.1%,10分47.1%、透明な樹皮である柵を通したUV照射5分18.7%,10分38.8%と減少したが有意差は認めなかった。この研究成果は、学術総会で演題発表を行った(2022年6月16日)。 高齢者を中心とした人工呼吸器関連肺炎予防のための口腔ケア関連調査を2022年1月より8月まで実施した。口腔ケアは、ブラッシング3回/日とブラッシング1回/日+保湿ケア(3回/日)の2種類として比較検討を行ったが、口腔内の衛生状態に差はなく、感染予防効果を示した。本研究成果は、2023年度学術集会で報告予定である。 新型コロナウイルス感染症の高齢者に携わる訪問看護ステーションの感染制御の実態調査を行い、国際学会で報告した(2023年3月10日)。研究成果は、学術誌に投稿中である。 高齢者介護施設の職員を対象に、排泄物の取扱いを含めた感染制御の研修を実施した。四日市看護医療大学看護医療交流センターにおいて、訪問看護と介護施設でできる感染対策の講義を担当した(2022年9月22日、2023年1月20日)。名古屋市社会福祉協議会において名古屋市高齢・障害福祉職員研修「感染症対策研修」を3回担当した(2022年7月15日、10月14日、11月11日)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同様に、全国的な新型コロナウイルス感染症の感染伝播状況により、高齢者介護施設への入室が関係者以外禁止となったため、インフルエンザの感染制御システムを検証する調査が実施できなかった。 よって、本年度はパルス方式キセノン紫外線(UV)照射ロボットを用いた消毒効果を検証、人工呼吸器関連肺炎予防のための口腔ケア関連調査、訪問看護における感染制御の実態と課題を見出すためのアンケート調査を実施し、報告することができた。 高齢者介護施設の職員を対象に、排泄物の取扱いを含めた感染制御の研修は、オンラインまたはハイブリットで開催することができた。昨年度と比べ、研修参加者と交流が図れたため、感染制御に関するニーズを抽出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の感染伝播状況の影響を受けて、高齢者介護施設におけるインフルエンザのアウトブレイクが2020年より殆ど見当たらないため、レトロスペクティブスタディとして、過去のインフルエンザのアウトブレイクを解析し有効な感染制御を見出す予定である。研究成果は、2023年度に学術集会への演題登録と学会誌への論文投稿を行う予定である。 多剤耐性菌とATPに対して、パルス方式キセノン紫外線(UV)照射ロボットLightStrikeを用いた消毒効果を検証を引き続き行い、エビデンスを蓄積する予定である。 高齢者を中心とした人工呼吸器関連肺炎予防のための口腔ケアの検証結果は、2023年度日本クリティカルケア看護学会学術集会で報告し、論文を投稿する予定である。 訪問看護における感染制御の実態と課題を見出すためのアンケート調査結果は、東海公衆衛生雑誌に掲載を目指す予定である。
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