研究課題/領域番号 |
19K11230
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995)
|
研究分担者 |
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
藤井 千里 佐久大学, 看護学部, 講師 (80737651)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 不顕性誤嚥 / 嚥下障害スクリーニング / 高齢者 / 嚥下音周波数 / 嚥下評価 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的な嚥下障害に対するスクリーニングテストには、軽度の嚥下障害例の選別が困難である問題点がある。高齢者療養施設において、日常生活援助を担う看護師が嚥下状態を非侵襲的かついつでも実施できる簡便な客観的評価方法が必須である。既存の嚥下音聴取とその嚥下音分類による評価基準を参考に、嚥下音の分類を周波数分析によって病態の根拠を明らかにでき、長時間の測定も継続的に簡便に可能となる機器の作成が急務である。 本研究の目的は、非侵襲的かつ科学的な嚥下機能評価を簡便に行うことができる測定・評価機器システムを構築し、かつ測定・評価機器システムの嚥下状態の評価ツールとしての実用性と信頼性を検証することである。
|
研究実績の概要 |
2022年度の本研究は①嚥下障害を主訴としない耳鼻咽喉科外来患者の飲水時における頸部姿勢の検討および②嚥下音から形状の異なる3飲食物の判別可能な周波数帯の探索の実施と報告を行った。 ①嚥下障害を主訴としない耳鼻咽喉科外来患者の飲水時における頸部姿勢の検討においては、幼児から高齢者の患者129名、35.1±33.7(4-94)歳対象に通気療法における水の飲み込み時の頸部姿勢の実態調査をした。患者129名のうち24名が水の飲み込む時に頸部を後屈させて嚥下した。後期高齢者は前期高齢者および64歳以下より有意に飲水のために顎を挙上させる姿勢をとっていた。高齢者は飲水時に無自覚的に頸部を後屈位にする傾向があった。一方、頸部を後屈位として勢いよく飲水する小児症例や痩せ体型の成人にも頸部を後屈位が認められた。 ②嚥下音から形状の異なる飲食物の判別可能な周波数帯の探索としては、 嚥下音から正常と異常な咽頭期の動きを分類することが可能になっている一方で、食事時の嚥下評価では正常とされながらも、高齢者には不顕性誤嚥を有する者が多い。本研究は20歳代15名を対象に咽喉マイクを装着して飲料水、ゼリー、固形物の3種を食した際の嚥下音を聴取し、音声ピーク値におけるパワースペクトルの周波数分布から飲食物の判別が可能な周波数帯を探索した。音声信号に対し、咽頭期に相当する各嚥下試行における音声信号振幅のピーク値の前後0.5秒間を抽出し、複素Morlet関数を基底とする連続ウェーブレット変換に基づく時間周波数変換を行った。反復測定分散分析の結果,中心周波数が443Hz-1232Hzの範囲において、いずれもゼリー条件におけるパワーが他2条件よりも小さかった。食形状の違いによる咽頭期の嚥下音を判別することが可能である示唆が得られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、嚥下障害スクリーニングが可能なプログラムを用いて介護老人保健施設に入所している高齢者を対象に、嚥下評価を行う予定であった。しかしながら、コロナ禍の影響で介護老人保健施設での調査は、施設に研究者が訪問することができなかった。そのため、現在までの進捗は予定より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
Covid-19による影響を考慮し、介護老人保健施設の施設長やスタッフとの研究ミーティングを進めながら、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした調査を計画している。また、嚥下障害スクリーニングの実装プログラムの精度高めるために、高齢者のデータだけではなく、若年層の嚥下音も併せてプログラムを作成していく。
|